実家のリフォームで感じた「家と健康」
2021.12.17お金・設計・仕様
新築で家を建てる方向けの発信が多いですが
もちろん、建て替えやリフォームを
検討されている方にも様々な相談を受けることがあります。
そこで今回は、私の実家を約10年前にリフォームした際に
実感したことを少しお伝えしたいと思います。
こんにちは。三協建設 堀内です。
私が生まれ育った実家は、小さな平屋でした。
昔ながらのつくりの土壁で
断熱材は入っておらず、冬はとても寒い家でした。
冬場に居間でくつろぐ時は
こたつに入り、ストーブをつけて、
さらにその上にダウンジャケットを着るほどの寒さ・・・
と言ったらイメージしていただきやすいでしょうか。
子どもが巣立った後は、母がずっと一人で暮らしています。
老朽化も進んでいたこともあり、この実家を
10年程前に全面リフォームを実施しました。
▼before
▼after
このリフォームによって、私自身があらためて実感したことがあります。
それは、「健康と家は密接に関わっている」ということです。
リフォームした当時、世間では断熱性能についての関心が
今ほど高くはありませんでした。
私自身も、当時は断熱の大切さは頭では分かっていたのですが
そこまで深く考えていませんでした。
ただ、自分自身が育った家でもあり
冬の寒さが堪えることは身に染みていたので
一人暮らししている母には
できるだけ暖かい家で暮らしてほしいという思いから
断熱をしっかりとして、
輻射熱で家全体を24時間
あたためられるような設備を導入しました。
母は特に持病があるというわけでもなかったのですが、
基本的に冷え症でした。
自宅で仕事をしていたのですが、
冬場になると家の中にいても、手がかじかんでしまって
パソコンのキーボードを打ちづらそうにしていました。
また、冬になると必ずといっていい程
体調を崩していたように思います。
当時、母は60代だったのですが、
「加齢と共に身体の免疫力が落ちてきたのかな~?」
と、息子ながらになんとなく思い、
早めに病院へ行くことを勧めたりしていました。
ところが、
リフォームした年の冬。
「そういえば、最近手がしびれなくなったわ」
そんな母の何気ないつぶやきを聞いた私は
冬の時期には毎年心配していた
母の体調不良もなく、
顔の血色がいいことに気付いたのです。
母自身も「体が軽い感じがする」と言ってとても感謝してくれ、
気付いたら、いつの間にか母の冷え性は改善し、
血圧も正常範囲になっていました。
そして70代後半になった今も、
以前のような手のしびれもなく
冬場に体調を崩すようなこともなく
適量の仕事と趣味の習字をやりながら
楽しそうに暮らしております。
全ての原因が住環境にあったとは
もちろん言い切れないですし、
私はお医者さんではありませんので、
母の健康状態の改善について
因果関係を証明することもできません。
ただ、母の当時の体調と
健康寿命の観点で考えると
もしあのときリフォームをしていなかったら
今の元気な母の姿ではなかったような気もします。
健康と住環境の関係性については
現在、様々な研究が進んでいるようです。
温度だけでなく、湿度、換気、光など
室内環境は様々な要素が絡み合っています。
毎日暮らしていく場所だからこそ
『住む人が健康で長生きできる家』
『生涯にわたって安心・安全に暮らすことができる家』
そんな視点でも家づくりを考えてみていただきたいと思います。
では、また。