日なたと日かげのつかい分け
2021.11.8お金・設計・仕様
構造が安定している点や
上下の移動がないことによる暮らしやすさなどからも、
家の基本は「平屋」であるとお伝えしております。
南に建っている家のせいで、
敷地の半分近くが日陰になってしまう土地
(土地の広さは約55坪)があったとします。
現実としては、こういった土地に建つ家の多くが、
総2階建ての家です。
その理由は、日陰を避けて
家を建てようとするからなのですが・・
そもそも根本から考えてみると、
家は日陰を避けて建てなくてはいけないものなのでしょうか?
こんにちは。シンプルノート熱田/一宮スタジオ 堀内です。
土地の広さが55坪あれば、
平屋を建てることが出来ますが、
平屋にすれば、確実に日陰となる部分にまたがって
家を建てることになるため、
光の採り込み方を工夫しなければいけません。
では、家全体を満遍なく明るくするためには、
どのように採光を考えるべきなのでしょうか?
光の種類を知る
これを考えるにあたり、
知っておくべきというか、
棲み分けしておくべきことが、
光にも種類が2つあるということです。
「直射光」と「天空光」の2つですね。
分かりやすく言うと、
天空光とは北の窓から入ってくる光ですね。
つまり直射光が入ってこないはずの北の窓が、
1日中安定して明るいのは、
この天空光が入ってきているから
だということです。
そして、部屋の配置は、
この2つのどちらの光を入れたいかによって変わってきます。
例えば、リビングダイニングは
直射光をたっぷりと採り込みたい場所ですよね?
それゆえ、南からの光がたっぷりと入る位置に
レイアウトしたいですよね。
また、洗濯物を干すところにも、
日光がたっぷり当たるようにしたいので、
南からの光が入る位置に
レイアウトしたいですよね。
では、この2つの場所以外に関してはどうでしょうか?
明るくあるべきではあるものの、
かといって絶対に南からの光が必要
というわけではありませんよね?
玄関、お風呂、トイレ、収納、
これらはもちろんのこと、
寝室も、南からの光に
こだわる必要はありませんよね?
これらを踏まえて、
2つの光をうまく使い分けながら
部屋を配置していくと、
全ての部屋を満遍なく
明るくつくりやすくなるというわけです。
もちろん、せっかくの南からの光を
殺してしまわないためには、
間取りのつくり方に工夫が必要ですけどね。
そして、土地や要望の都合上、
その土地に平屋がおさまらない場合は、
2階部分をつくらざるを得ないのですが、
この場合も、出来るだけ2階部分を
小さくすべきです。
2階を広くつくっても
無駄にコストが上がるだけで、
使いやすさが上がるわけじゃないからです。
この土地で、どうしても2階をつくらないといけないとしたら、
出来るだけ2階は小さくしてもらえたらと思います。
要するに、あくまでベースは平屋で考えるべきだ
ということですね。
もちろん、このような家の建て方をすれば、
居住性は格段に上がるものの、
確実にコストは割高になるので、
同時に、コストを抑えるためのアイデアや工夫も
必要になってきます。
しかし逆に、それさえ出来れば
ありきたりの総2階建ての住まいに比べて、
遥かに使いやすく、遥かに住みやすく、
また、遥かに明るくて開放的な住まいが出来上がります。
ですから、明るくて居住性が高い家が
手に入れられるように
日かげと日なたをどう使い分けるか?という視点も
頭の片隅に置いていただきながら
家づくりをしてもらえたらと思います。
では、また。