家の向きと窓のつくり方
2021.9.10お金・設計・仕様
街中で見かける家や、ご友人・お知り合い・ご実家の家などでは
「当たり前」すぎて、なんの疑問も持たないような
家づくりの固定概念というものがたくさんあります。
その中の一つに、窓のつくり方があるのではないでしょうか?
こんにちは。シンプルノート熱田/一宮スタジオ 堀内です。
例えば仮に、こういった分譲地に家を建てるとなれば、
このような配置で家を建てることになるのではないでしょうか。
でも、このような配置で家を建てることを前提とした場合、
北側が道路に接している敷地の場合にせよ、
南側が道路に接している敷地の場合にせよ、
それぞれに何らかの問題が発生するということに
お気づきでしょうか?
では、それぞれのケースで
考えていってみましょう。
ケース1:北側が道路に接している敷地の場合
北側が道路に接している敷地の場合
北側に駐車場をつくることになるので
建物は南側に寄せて配置することになります。
そして、三方向が全て家に囲まれているとしたら、
赤線部分に大きな窓をたくさんつくっても、
実は、それほど光は入ってきません。
隣の家との距離が近いからです。
それゆえ、赤線部分に
大きな窓をつくることを前提とした間取りではなく、
室内に光が採り込みやすくなるように
間取りを考えないといけません。
そうしないと、日中ずっと光が入ってこない
リビングダイニングキッチンになってしまい、
朝から照明なしでは過ごせないような
薄暗くどんよりした家になってしまいます。
ケース2:南側が道路に接している敷地の場合
南側が道路に接している敷地の場合
光がたっぷり射し込む明るい家になるような気がしますよね。
しかし、南に部屋を配置し、
青線部分に大きな窓をつくってしまうと、
外から丸見えになってしまいます。
結果、外からの視線を防ぐためにカーテンが必要になります。
そしてそのカーテンは閉じっぱなしになることでしょう。
また、道路に面した南側に大きな窓をたくさんつくればつくるほど
防犯面も不安が増します。
結果、カーテンやシャッターだけでは物足りず、
庭に目隠しを設置したり、高い塀を設置したりと、
外構工事にも工夫が必要となり、
さらなる出費を招くことになってしまいます。
ただ単純に南に窓をつくれば、
それだけで明るくなるわけでもないし、
窓をたくさんつくれば、
それだけで明るくなるわけでもありません。
また、窓をたくさんつくれば、
その分カーテンやシャッター、
そして目隠しや塀といった
余分なコストがかさむことになるだけですし、
窓をたくさんつくれば
外観に汚い垂れジミを、
余分につくってしまうことにもなります。
そして、外壁の汚れが気になり、
塗り替えサイクルが早まり、
さならなる余分な出費を招いてしまうことになります。
さらに、もっと言うならば
窓をたくさんつくるとその分、
断熱性能は低下するし、耐震性能も低下することになってしまいます。
窓が多い分、壁が少なくなるわけですからね。
ということで、
土地を選ぶ時も、そして間取りを考える時も、
光をどうやって採り込むのかという、窓のつくり方をも
しっかり考えながら進めていただければと思います。
そうすることによって、
カーテンやシャッターなどのコストが
必然的に省けるようになるし、
目隠しや塀などの余分なコストも省けるようになります。
また、窓の数も最小限に抑えることが出来れば、
必然的に断熱性能も高くなるし、
同時に耐震性能も高くなります。
そして、外壁に出来る垂れジミも減ることから、
外壁の塗り替えサイクルも長くなります。
そして、なによりプライバシーが担保された
とても居心地がいい住まいが出来上がります。
ぜひ、こんなたくさんのメリットに囲まれた
素晴らしい住まいづくりをしていただくためにも
家の向きと窓のつくり方についての
「当たり前」を疑ってみていただければと思います。
では、また。