コンパクトな家をオススメする理由
2021.8.20お金・設計・仕様
最近、住宅ローン破綻の話をよく耳にするようになりました。
家庭の事情で仕事を変わらざるをえなくなった、
業績悪化などにより手取り給料が減った、
様々な理由があるとは思いますが、
家をつくる私たちとしては、胸がはちきれそうな思いになります。
幸せに暮らしてもらうことが家をつくる側の全ての人間の願いだからです。
こんにちは。シンプルノート熱田/一宮スタジオ 堀内です。
なぜこのような現象がおきるのか、いくつかの要因がありますが
その中の一つとして、どんどん「家の値段が高くなっている」ことが
挙げられるのではないでしょうか。
家の値段が高くなってる理由の一つとしては、
年々建築技術が向上し、性能が上がっていることがあります。
断熱・耐震・耐久性、といった性能は大切なことです。
では、どのように性能を担保したまま
コストを抑えて家づくりをしたらよいのでしょうか?
家の価格というのは「面積」に大きく左右されるため
コストを抑えるためには無駄を省き、
できるだけ家をコンパクトにすることが
効果的かつ重要なポイントとなります。
ですので、今回は家をコンパクトにするための
具体的な考え方をお伝えしたいと思います。
まずは、家の面積を左右する部屋の広さについて
1つ1つ考えていきましょう。
- 子ども部屋
子ども部屋を2階につくることが、
従来の家づくりでは当たり前となっていますが、
それと同時に当たり前となっていることが、
子ども部屋の広さを6帖でつくることです。
でも子ども部屋って
本当に6帖も必要なのでしょうか?
というのも、6帖の部屋は、
3.51m×2.6mが実際使える広さなのですが、
例えば、この中に幅90cmのシングルベッドと
幅90cmの学習机を置いたとしても、
まだ1.5帖〜2帖ほどの余白が出来るからです。
もちろん、どんな部屋であろうと、
少しでも広く、少しでもゆとりがある方がいい
というお気持ちはよく分かります。
しかし、もし1.5帖部屋の広さが違うだけで、
家の価格が45万円も違ってくるとしたら?
もし2帖部屋の広さが違うだけで、
家の価格が60万円も違ってくるとしたら?
そして、その部屋が2つあるとしたら?
いずれ子どもたちは家を出て行くでしょう。
ですから、その点も考慮しつつ、
子ども部屋の広さを決めるように
していただければと思います。
- 寝室
寝室に関しても、
モデルハウス展示場でよくあるような8帖や10帖もの広さが
果たして本当に必要なのでしょうか?
例えば、6帖の部屋には、
ダブルベッドを2つ並べておくことが出来ます。
6帖の広さが3.51m×2.6mなのに対し、
ダブルベッドを2つ並べた時の寸法は、
2.8m×2mだからです。
寝室も無駄に広くつくる
必要はないんですよね。
ただ寝るだけの部屋だし、
荷物はウォークインクローゼットに
全て片付けるでしょうし、
テレビを置くにしても、
今は壁掛けが一般的なわけですからね。
では、逆に床面積を増やすとどうなるでしょう。
床面積が増えれば、
その分、家の価格も高くなってしまうのですが、
その他にも起きうることがあります。
例えば、余ったスペースがあったら
なにかを置こうとしてしまいませんか?
ものを増やせば、その分家が散らかりやすくなり、
片付けがしにくい家になってしまいます。
そこに置くものを買うにしても、
お金がかかるわけですしね。
それが子ども部屋であれば、
余ったスペースがあれば、
そこにソファーやテーブルなどを
置きたくなるでしょう。
また、リビングダイニングの場合は
余白が出来るのは、
ダイニングテーブルとソファーとの間になることでしょう。
ここに余白が出来ると、
間違いなく子どもたちが
自分たちの荷物をここに置きます。
そこに置ける場所があるのですから・・・。
そして、ランドセルや勉強道具や
習い事道具などがいつも無造作に置かれた
雑然とした空間になっていってしまうことを
予想することは難しくありません。
それゆえ、子ども部屋や寝室はもちろんのこと、
たとえリビングダイニングといえど、
必要以上に広げる必要はないということなんですよね。
無駄に広くつくってしまうと、
コストがアップするだけでなく
掃除や片付けの手間がかかる家に
なってしまいやすくなりますからね。
もちろん、そうするためには、
収納を使いやすい場所につくるとか、
子ども部屋を使いやすい場所につくるといった
間取りの工夫は必要になってきます。
家の価格が昔に比べて上がっている今、
またこの先の経済状況の見通しが明るくないことも踏まえて
「〇帖の広さはないと・・」といった
従来の家づくりの当たり前や、固定概念は手放して
いつまでも暮らしやすい家を、
最小限のコストで手に入れることを考えていただければと思います。
では、また。