健康と住宅
2018.8.20お金・設計・仕様
知り合いの方の高齢のお母さんが
腰の“圧迫骨折”をされたそうで、
自分でトイレにも思うように行けず
困っている・・・という話をききました。
骨粗鬆所など骨がもろくなっている場合などは
くしゃみをしただけで骨が潰れてしまうこともあるそうです。
そのお母さんも特に転んだりとかしたわけでなく
ひどい腰痛だったので受診したところ
折れていた・・・という状況だったようです。
体を動かしたときに強い痛みを伴い、
場合によっては寝たきりになってしまうこともあるようで、
高齢の方ほど注意が必要な骨折のようです。
うちの親とほぼ同じ年代の方ということもあり
「介護」が他人事ではない年齢になってきたな・・・と
実感しております。三協建設 堀内です。
さて、生きていく上で、健康って
とーーーっても大切なコトですよね。
そして、高齢化社会において
“健康に”長生きするということの
重要性は高まってきています。
健康寿命ってきいたことはありますか?
WHOが2000年に提唱した概念です。
平均寿命から
日常的・継続的な医療・介護に依存して生きる期間を
除いた期間が健康寿命になります。
平均寿命っていうのは寿命の長さを表していますが、
健康寿命は自分自身で生命維持し、
自立した生活ができる生存期間を表しているので、
健康寿命が高いほど、
寿命の質が高いと評価されています。
平均寿命を延ばすだけでなく、
健康寿命を延ばし、
不健康な期間を減らすことが重要であると考えられているんですね。
今は元気な私もあなたも、
必ずいつかは歳をとります。
健康に長生き・・・したいですよね?
では、健康寿命を決定づける要因って
何だと思います?
1番の要因は「平和」だそうです。
確かに!!
では、2番目の要因は何でしょう。
うーん。
バランスのとれた食生活?
適度な運動?
生活習慣?
実は2番目には、
「住居環境」の重要性が
挙げられているんです。
え?意外でしたか?
日本ではまだあまり普及していない考え方なのかも
しれませんが、世界的に言われていることなのです。
病気の予防などにおいて、
日本では1次予防、2次予防・・といった部分が
重要視されているのですが、これ以前の部分として、
0次予防というものがあります。
これは環境づくりを指しています。
例えば。
喫煙によってリスクが上がる病気を予防するためには、
たばこの値段を上げるとか、
たばこの自動販売機を撤去するとか、
全面禁煙にしたり、
喫煙所の数を減らすなど、
たばこを吸いたいと思っても
吸いにくい環境をつくることで、
禁煙の行動を助けようとする。
という考え方が0次予防です。
世界的には言われてきた、
健康を維持できるよう、環境を整えることが
いかに重要なのかということが
この日本でもようやく認識されはじめている状況なのです。
あなたは「ヒートショック」をご存じでしょうか?
急激な温度変化が体に及ぼす影響のことで
室温の変化によって血圧が急激に変化し、
脈拍が早くなったりすることです。
人間の体は体温を調節しようとするために血管を収縮させるので、
室温の変化によって血圧が急激に変化するために起こります。
高齢の方にとっては心筋梗塞や脳血管障害などにもつながる
とても危険なことなのです。
このヒートショックが原因で
家の中で亡くなる方は年間でなんと17,000人。
これは、交通事故で亡くなる方の実に3.8倍です。
昔、日本の便所や風呂場は
屋外に設置されていました。
それが、屋内に設置されるようになり
飛躍的に改善された歴史があります。
それでも、まだまだ日本の住宅内の
温度差は欧米の基準とは比べものにならないレベルです。
イギリスでは、室温の基準が定められています。
室温21℃:「推奨」
室温18℃:「許容」
室温16℃未満:「呼吸器系疾患に影響あり」
室温9~12℃:「心疾患、血圧上昇リスク」
室温5℃:「低体温症のハイリスク」
そして、室温18℃未満の住宅は健康を害するとして、
建てないような取り組みが行われています。
日本はどうでしょう・・・。
室温18℃未満の住宅、
たっくさんありますよね。
そして、室内環境は温度だけではありません。
冬季に寝室の湿度が低いと、どうなりますか?
換気が十分にされていないと、どうなりますか?
窓ガラスが結露していると、どうなりますか?
食生活のバランスや、
食品添加物に気をつかうことももちろん大切です。
生活習慣も、もちろん大切です。
でも、それ以前に
あなたが生活する家の
住居環境を考えることを
忘れないでくださいね。
では、また。