「子ども部屋」という呼び方って・・・
2021.4.16お金・設計・仕様
現在の日本人の平均寿命は、
男性が81歳で女性が87歳と言われており、
これからはもっと延びていくようですね。
こんにちは。シンプルノート熱田/一宮スタジオ 堀内です。
家づくりをする時には、
この年齢まで暮らすことを前提として、
部屋の広さや多さ、
そして間取りのつくり方を考えていかなくてはなりません。
つまり、現在あなたが30歳だとしたら、
そこで50年間住み続けることを前提として、
現在あなたが40歳だとしたら、
そこで40年間住み続けることを前提として、
その間ずっと住みやすく、
その上、家にかかるコストは最小限に抑えられるように
計画すべきだということですね。
多くの方が、先のことはさておき、
今の状況を中心に、
家族の人数が最も多い時期に合わせて
間取りを考えてしまうため、
将来、確実に部屋を持て余すであろう
大きな家をつくってしまいます。
ですが、あなたのご実家を思い出してみてください。
使わない部屋だらけではありませんか?
あなたの親御さんがそうであるように、
いつか子ども達が巣立った後は、
夫婦2人だけになる家です。
ですので、1つの用途としてしか
使わないだろうと考えられる部屋は、
別の用途として兼ねて使えないか?
ということを考えながら、
家づくりをすることが大切になってきます。
そうすることで、
家の面積をカットすることができ、
その結果、家づくりのコストカットにもつながるからです。
広さや部屋数について、
まず考えていただきたいのが
「子ども部屋」です。
子どもは、まだ小さいうち、
自分の部屋をプライベートスペースとして使うことは、
ほとんどありません。
そして、思春期となる中学生ぐらいになれば、
やっと自分の部屋を、
プライベートスペースとして使うようになりますが、
それも束の間で、ほとんどの子どもが
進学や就職をキッカケに、
卒業と同時に家を出て行くようになります。
そう考えると、子どもが自分の部屋を
充分に使ってくれる期間は、
せいぜい6年〜10年ぐらいのものです。
あなたがそこで暮らす
40年〜50年という期間の中において・・です。
ですので、子どもがプライベ―トスペースとして、
自分の部屋を使う以外の期間は、
別の用途として使えないか?ということを、
考えていただきたいと思っています。
そこは、親御さんが泊まりに来た時の
寝室として使えるでしょう。
そして、将来は収納として使えるし、
あるいは、自分たちの寝室として使えるし、
年老いた親御さんを招いて一緒に暮らすことも出来ます。
つまり将来、子ども部屋を
うまく使えるように設計すれば、
“客間はいらない”ということになります。
客間の用途を子ども部屋が兼ねるからです。
また、子ども部屋自体も
“あまり広くつくる必要はない”
とも思えるようになります。
子どもたちはやがて必ず出て行くし、
その後の利用用途を考えても、
そんなに広いスペースは必要ないからです。
そう考えていくと、
そもそも“子ども部屋”という名称で
呼ぶこと自体が不自然なのかもしれませんね。
「子ども部屋」と言えば、こういう部屋である。
「子ども部屋」と言えば、こうあるべきである。
そんな思い込みを手放して、
合理的に家づくりをすることで、
無駄な面積をカットしていただき、
最小限のコストで暮らしやすい住まいを
つくっていただければと思います。
では、また。