住宅ローンの金利の見方
2021.3.1お金・設計・仕様
住宅ローンって分かりにくいものですよね。
いくつかの金融機関で住宅ローンを見比べようとしても
大きく表示されている利率をパッと見るだけでは
その内容を正しく理解することは難しいかと思います。
こんにちは。三協建設 堀内です。
今日は住宅ローンの金利の見方について
簡単にお伝えしたいと思います。
銀行などの金融機関で、基本となるのが「店頭金利」です。
イメージとしては、定価やメーカー希望小売価格のようなものと
思っていただくとよいかもしれませんね。
基本的に、この金利のままで銀行側が融資することはほとんどないと思います。
住宅ローンを借り入れる人には「優遇金利」というものが適用されるので、
この店頭金利より低い金利で借り入れすることになります。
イメージとしては、〇割引きセールとか、〇〇%OFF!というような
割引と思っていただくとよいかもしれません。
この割引率が高くなると、「実質金利」
つまり実際に借り入れることになる金利が
低くなるということになります。
いくつかの金融機関で、変動金利を比べる際には
この優遇後の「実質金利」を並べて、比べることになると思います。
そして、この割引率も、
「当初優遇(当初引き下げ・2段階引き下げ)」や
「全期間優遇(全期間一律引き下げ)」のように
期間と割引率を別々に設定されていると、
どちらがいいのか?パッと分からないと思います。
例えば、店頭金利が年2.95%で、当初固定期間10年の
固定期間選択型の住宅ローンの場合で考えてみましょう。
※固定期間選択型というのは
3年、5年、10年などの特約期間中は金利が固定していて、
その固定期間終了時に、その時点の金利で再び固定期間選択型にするか、
変動金利型に切り換えるかを選択できるというもので、変動金利の仲間のようなものです。
①当初優遇10年間は借入時の店頭金利から、年-2.3%割引となり、実質利率が、0.65%となり、
11年目以降完済までは、その時点の店頭金利から、年-1.5%割引となるパターン。
②当初優遇10年間は借入時の店頭金利から、年-2.2%割引となり、実質利率が、0.75%となり、
11年目以降完済までは、その時点の店頭金利から、年-1.7%割引となるパターン。
これを仮に、35年3000万円の住宅ローンで、
店頭金利がずっと変わらず2.95%だったとして計算してみると、
①の場合は当初10年は年0.65%、11年目~完済は年1.45%
この金利をトータルでならすと年1.066%となり、元利総額は3,596万円となります。
②の場合は当初10年は年0.75%、11年目~完済は年1.25%
この金利をトータルでならすと年1.010%となり、元利総額は3,563万円となります。
その差額は33万円ですね。
チラシに大きく書かれている年0.65%と年0.75%という数字だけを比べると、
①の方がいいような気もするのですが、数年後に変わる割引率にも
目を向けておく必要があります。
また今回は、仮に店頭金利がずっと変わらなかった場合で
計算してみましたが、金利がこれから先上がった場合はどうなるのか?
より具体的に、数字をあてはめながら考えてみてください。
家を建ててからも長く続いていく人生を
幸せに暮らしていくためには、「計画」が大切です。
住宅会社の営業の人に言われるまま鵜呑みにするのではなく、、、
銀行の人に言われるまま鵜呑みにするのではなく、、、
あなた自身の生涯において使ってもよい住宅予算を超えないために、
あなた自身が住宅ローンについて理解し、戦略をたてることはとても大切です。
どうやって、住宅ローンの戦略を立てたらよいのか分からない・・という方は
お気軽にご相談くださいね。
では、また。