変化に戸惑うこと、変化していくこと
2020.11.13暮らしを考える
今年は予想もしなかったコロナ禍により
様々なものが劇的に変化した年だったように思います。
こんにちは。三協建設 堀内です。
先日、知り合いの方が
若い後輩の方に業務を任せていこうと引き継ぎをしていたところ、
その後輩の方にとっては過度な負担となってしまったようで
どのように任せていこうか、方法をあれこれ模索している・・というような
話をされていました。
学生時代においては、
環境というものは、親や教師やまわりの人が、
あらかじめ快適に整えているものでした。
与えられる環境によって、
与えられた学習や課題をこなしていくことが自然なことだったでしょう。
また、新卒で入社した後も
様々な研修や先輩の元について行う業務というのは
どちらかというと、受け身で学んでいくスタイルが多いように思います。
しかし、担当を持ち、責任を持ち、なおかつ
自ら考え、動き、提案していくという仕事においては
受け身でいることはできません。
ここで、いきなり今までの自身のスタイルをガラリと変えなくては
ならなくなるということ、変化しなくてはいけないというプレッシャーは
とてつもない負担となり圧し掛かってきたのだろう・・・と後輩の方の心労を思い、
また、どう引き継ぐのがよいのか悩まれている方の姿を見て、そのお気持ちに思いをめぐらせました。
こういったことは若い世代に限ったことではありませんよね。
ホメオスタシス(恒常性)という言葉があるようです。
人間が生きていくために、外部の環境にかかわらず、
一定の状態を保とうとする調節機能なんだそうです。
今のライフスタイルや環境をなるべく維持しようとすることは
心理的な面においても、とても自然なことなんですよね。
変わらないものなどないと頭では分かっているつもりでも
昨日までと同じような明日がくるような気がしてしまうものですし
今までの自分と同じであろうとしてしまうものです。
高度成長期や、「今までの時代」においては、
毎日会社に行き、決められた仕事を同じように行うことは
とても当たり前なことだったように思います。
入社してから、ある一定の道筋のようなものが見え
それに沿って仕事をしていけば自然と定年まで道が
つながっているという漠然とした安心感のようなものもあったと思います。
それに慣れている人が、突如として時代の変化に直面しても
今までの経験によって培われた、当たり前を
知らず知らずのうちに、同じように保とうとしてしまうものです。
今までと同じであることを覆すようなことには
無意識に抵抗してしまうものです。
しかし、右肩上がりで経済が成長してきた時代は終わりました。
これから、人口が減っていくことが明白な日本において
今までと同じことをやっていたら、横ばいではなく後退になります。
今までもうっすらと感じていた「厳しい時代」の訪れを
今年のコロナ禍を機により一層、
肌で実感するようになってきたように思います。
これからは「変化すること」を自ら意識して、
動いていかなくてはいけないのだとあらためて思っています。
そして、それは私の携わる「家づくり」においても言えることです。
「今までと同じが安心」「親や先輩と同じ道を辿っていけば安心」は
もう、安心ではなくなってしまいました。
「今までの家づくりの当たり前を疑うこと」そして、
「今までの固定概念から解放されて、自ら考えていくこと」を
これからもさらにたくさんの方にお伝えしていかなくては!と
あらためて思っております。
では、また。