泥棒の目線で家を考えてみる
2020.10.26お金・設計・仕様
気がつくと、日が暮れるのもすっかり早くなりましたね。
夕方でも、家の明かりで、人がいるかいないかがよく分かります。
こんにちは。シンプルノート熱田/一宮スタジオ 堀内です。
最近では、近所にどんな人が住んでいるのか知らなかったり、
地域のコミュニティも昔に比べて希薄になってきたと感じる方も
多いのではないでしょうか。
薄暗い時間帯に、見知らぬ人が家の様子をうかがっていても
気づかなかったりするものなのかもしれません。
そんな時代に、毎日を安心して過ごしていくようにするためにも、
昔に比べて、防犯対策を自分自身で万全にしておくことが、
家づくりでは欠かせない要素となります。
街中によくありそうな、一軒家を思い浮かべてみてください・・
その家は、1階の日当たりが良い場所に大きな窓がありますね。
そこは、間違いなくリビングです。
裏に回って目線の高さに窓があれば、そこはキッチンです。
さらに、キッチンから近い場所にある小さな窓は、
トイレや洗面そしてお風呂に通じているでしょう。
丁寧に格子まで付けてくれていれば100%確定です。
2階はベランダに面していくつか窓があり、
そのうちのどれかが主寝室で、あとは子供部屋です。
そして、部屋とは高さがそろわない窓があれば、
そこが間違いなく階段というわけです。
いくら、敷地がブロック塀や
フェンスに囲まれているとはいえ、
外から窓を見ただけで、
こんなに簡単にある程度間取りが分かってしまう家を、
泥棒の目線で考えてみたら・・・どうでしょう?
果たして防犯性の高い家と呼べるでしょうか?
混沌とした時代になり、犯罪が増えることも予想される今後、
本当に安心して暮らしていくことが出来る家なのでしょうか?
■意外と思い付かない防犯対策
では、玄関ドアを施錠することは当たり前として、
他に、一体どのような防犯対策が考えられるでしょうか?
✓防犯カメラを設置する。
✓警備会社と契約をする。
✓窓には強化ガラスを使う。
✓玄関ドアの鍵を何重にも設定する。
✓敷地の塀を高くし有刺鉄線をつける。
このように、いくつかのアイデアは出てくることでしょう。
しかし、1つだけ意外と思い浮かばないアイデアがあります。
それは、そもそも“家のカタチを見直す”ということです。
シンプルノートでは、外観から大きな窓を一切なくした家が多いんです。
こうすることで、
外から家の中を想像することが難しくなり、
防犯性能を高めることが出来るからです。
もちろん、大きな窓がなくなるというわけではなく、
つくっても問題がない場所に、大きな窓をつくることによって、
光や風はしっかり確保しています。
大きな窓を外壁からなくしてしまえば、
敷地のブロックや植栽などによって、
外からの視線を遮断する必要もなくなります。
外壁がそのまま塀の役割までもを、同時に果たしてくれるからです。
結果、庭に掛ける無駄なコストを
大幅にカットすることが出来ます。
また、先程ご紹介したアイデアのように
余分なコストを掛けてまで、
家の防犯性を高める必要もなくなるため、
その分もコストもカットすることが出来ます。
ということで、
窓がほとんどないカッコイイ家は、
ただ単にデザインだけを重視した家ではなく、
防犯性にも配慮した家であるということです。
そして、それが結果的に、
防犯対策のための外構工事や、
それ以外の無駄な防犯対策のコストをも
全てカットすることが出来る家づくりにもなるということを
知っておいていただければと思います。
では、また。