耐震性から見る、平屋と二階建ての家の違い
2020.10.12お金・設計・仕様
シンプルノートでは
敷地が広さ的にも法令的にも問題ないなら、
平屋を基本として、間取りプランを提案するようにしています。
そして、平屋の実現が難しい場合に限って、
2階に部屋を乗せていくようにしています。
なぜならば、これから先の暮らしのことを考えると、
平屋の方が、あなたに圧倒的に多くの
メリットをもたらすからです。
こんにちは。シンプルノート熱田/一宮スタジオ 堀内です。
今回は「耐震性」という観点から見ていきましょう。
まず、当たり前のことですが、
平屋は2階建てよりも、耐震性に優れています。
理由その1:平屋は上からの荷重が少ないから
一般的な2階建て住宅の場合、
2階に寝室や子ども部屋といった部屋が配置されるでしょうし
1階に比べるとスペースが余りがちな
2階に納戸やクローゼットなどがつくられます。
つまり、2階は部屋が細かく仕切られることになるため、
柱や壁の量が必然的に多くなり、
1階に比べると、「重く」なりがちだということです。
また、暮らしの中心となるリビングダイニングを、
明るく開放的にしたいという要望から、
1階には大きな窓を設置するのが一般的ですが、
窓を多くつくればつくるほど、
その分、1階の「壁」が少なくなってしまいます。
この結果、一般的な2階建て住宅は、
必然的に耐震バランスが
悪くなってしまうというわけです。
理由その2:平屋は風の抵抗を受けにくいから
実は、家というのは地震の時だけ揺れるのではなく、
日常的に風によっても揺れています。
もちろん、この風の抵抗も、
平屋に比べると、2階建ての方が、
より多く受けることになります。
さらに、理由その1で説明したように、
2階部分は柱や壁も多く、
重くなりがちであることから、
よりいっそう、風の抵抗を受けることになります。
そして、この積み重なりが、
徐々に、耐震金物を緩めていくことになり、
当初計算していた耐震強度を、
保てなくなっていってしまう・・・というわけです。
理由その3:平屋は車両の通行による振動の影響も受けにくいから
また、日常的な風の抵抗を受けるのと同じように、
車両が道路を通る際の振動によっても家は揺れています。
幹線道路に沿った土地で家を建てる場合などは、
重量車両も通行するようになるため、なおのことですね。
そして、この揺れによってもまた、
耐震金物が緩んでしまうため、
当初計算していた耐震強度を
保てなくなっていってしまう・・・というわけです。
このような理由から、
耐震面において、平屋は2階建てよりも優れている
というわけ、なんですよね。
もちろん、実際に地震が起こった際にも、
平屋の方が、地震から受けるダメージそのものも、
2階建てに比べて少ないのは間違いないでしょうし、
その後の暮らしの安心度合いも違うでしょう。
地震によるダメージの補修も、
2階建てに比べて少ないのではないでしょうか?
そういった点からも、
2階建てありきで家を考えるのではなく、
「まず基本は平屋から」始めるように
していただければと思うのです。
では、また。