経年劣化と経年美化
2020.4.3暮らしを考える
先日、こちらのブログ「資産価値のある家づくりって」で
日本と海外の家づくりの違いについてお伝えしたところですが
ちょうど、リアルタイムでそんな話をする機会がありました。
こんにちは。三協建設 堀内です。
昔から仲良くさせて頂いている、輸入商社の方から連絡がありました。
普段は海外を忙しく飛び回っている方で、めったに連絡がないので、
連絡がくるのはめずらしいな~?と思ったら
この新型コロナウイルスの影響により、
渡航制限等で、行動が制限されているとのこと。
せっかくの機会なので、会って色々なお話をさせていただきました。
海外の建物を多く見ている方ですので、
100年を超えるような歴史ある建物の良さも、肌で実感されています。
先日のブログでもお伝えした通り
日本では、「新築」住宅に一番高い価値があり、
「中古」住宅となると、その価値が下がっていくという考え方が一般的です。
時間の経過とともに劣化していくという
考え方がベースになっているのかもしれません。
しかし、欧米では「中古」住宅ではなく、「既存」住宅であり
「新築」住宅よりも価値の高い「既存」住宅も多く存在します。
長年建っている住宅ということは、
最近建てられた住宅より実績があり、
信頼が増すという考え方が一般的で、
住みながらも、家に手を加えたりメンテナンスをし、
また、家の所有者が代わる度に
必要な箇所のリフォームを実施し
日本とは逆に、価値を上げていくのです。
そんな、長い歴史をもつ住宅の
取り替えることができない部分、取り替えることが難しい部分には、
長持ちさせることができる素材、本物が使われています。
工業的につくられた「木っぽいもの」ではなく、本物の「木」。
工業的につくられた「石っぽいもの」ではなく、本物の「石」。
本物の素材というのは、
時が経つごとに味が出てくるものです。
その方はそれは「経年美化」ではないか?と言ってみえました。
「経年劣化」の逆をいく、「経年美化」とは
なるほど、うまい言い方だな~と思いました。
どんなものでも、時間の経過とともに変化していきます。
それが、経年変化です。
新品が一番良い状態で、
時間の経過とともに劣化していく「経年劣化」。
新品が一番良い状態なわけではなく、時間の経過とともに
さらに美しくなっていく「経年美化」。
住宅寿命が30年ほどと言われる日本では
家は「経年劣化」しかしないという考えが
主流となっているのかもしれません。
海外の住宅に実際に触れている方の話を伺って、
日本の家も「経年美化」していくものとなるように
取り替えることができない部分、難しい部分に本物を使ったり
適切なメンテナンスを行っていくことを
より多くの方に知っていただきたいと、あらためて思いました。
「劣化していくもの」「美化していくもの」
「取り替えられるもの」「取り替えられないもの」といった
家を今だけでなく、長い目で見ていただけるようになる
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では、また。