平屋は贅沢な家なの??
2020.3.11お金・設計・仕様
以前に比べると平屋の家の人気が
上がってきたように思います。
こんにちは。シンプルノート熱田スタジオ/一宮スタジオ 堀内です。
でも、どうも平屋というと
広い土地に大きな家を建てるイメージが
一般的にはあるようです。
きっと、昔からある田舎の広い平屋の家のイメージや、
大きく目を引く広告に掲載されているような平屋が
広い敷地に建てられている場合が多いからではないでしょうか。
平屋を建てるとなると、とても広い土地が必要になりますよね?
というご質問をいただくこともあります。
また、平屋は高くて贅沢な家だから
とても自分たちには建てられないから最初から検討すらしていない
という方もいらっしゃいます。
しかし、この2つの思い込みは、
どちらも間違っていると言えます。
まず、平屋は予算にゆとりがある人が建てる贅沢な家であり、
予算にゆとりがない人は2階建てにすべきである
という思い込みがあります。
この考え方は、むしろ真逆の考え方であり、
実際は、予算にゆとりがない方ほど平屋にすべきだし、
2階建ては予算にゆとりがある方にオススメです。
というのも、
予算にゆとりがない状態で2階建てにしようとすれば、
片付けがしづらくなってしまったり、
使い勝手が悪くなってしまうからです。
一般的には家そのもののコストを抑えようとした場合、
1階と2階の面積を同じにした、
いわゆる総2階建で間取り設計します。
面積を抑えて、2階建にしようとした場合、
1階にはリビング以外の部屋がとれなくなってしまったり、
収納量も少なくなってしまいます。
もしかしたら、現在住んでいる賃貸アパートやマンションよりも
暮らしにくさを感じてしまう住まいになってしまうかもしれません。
また、寝室をはじめとした家族の個室を全て2階に作ることになります。
例えば子ども部屋は、
子どもがまだ小さく個室を必要としない時期や、
子どもが成長して家を出て行った後には
使われない部屋になってしまいます。
そして何より、30坪の2階建住宅を建てたとしても、
実は、部屋や収納として有効に使える面積は、
たったの19〜20坪ぐらいしかないのです。
部屋や収納以外の、
廊下や階段に面積を取られてしまっているということに
気付いていない方が多いんですよね・・・。
また、そのしわ寄せは将来にもやってきます。
1階に部屋や収納を増やすために大がかりなリフォームや増築が必要となり
その工事に大切な老後資金を費やすことになるからです。
つまり、予算にゆとりがない状態で2階建てを建てると、
ただ住みにくいだけではなく、
将来さらなる出費を招きかねないというわけなのです。
日々の暮らしの大部分を占めるのは、
間違いなく1階ではないでしょうか?
であれば、たとえ少々小さくても
部屋も収納も暮らしに必要なものが全て1階にあった方が、
使い勝手も良く便利ですよね。
そして将来的にも、きっと使いやすく住みやすいはずですよね。
つぎに「平屋は広い土地がなければ無理」という思い込みについて
考えてみましょう。
上手く設計すれば、さきほど説明した
30坪の総二階建住宅と
同じ部屋の広さと収納を確保しながら、
平屋にすれば25坪ぐらいの面積で
抑えることが出来るでしょう。
もちろん1階が大きくなればなるほど、
建築コストは割高になってしまうものなので、
いくつかの要素を見つめ直すことで
建築コストの上昇を抑える工夫が必要となります。
「あって当たり前」「あれもこれも広いのがいい」から抜け出して、
平面図で見る部屋の広さだけにこだわらず、
あなたの生活に必要なモノを見つめ直すだけでも、
建築コストを大幅にカットすることが出来るようになるのです。
先ほどお伝えしたような25坪の平屋であれば、
42坪くらいの土地で建てることもできますし、
40坪をきる広さの土地であれば、
寝室のみを2階へもっていくことによって
日中のメインの生活スペースが全て1階におさまるような
平屋に近い2階建てという手もあります。
土地が小さければ、ずっと払っていく固定資産税も安くなります。
また家も小さく出来れば、同じように固定資産税が安くなるし、
これに加えて電気代も安くなります。
そして、先程お伝えしたような
無駄な増築費用を将来に捻出する必要もなくなります。
自分には平屋は無理と最初から諦めてしまったり、検討すらしないという
平屋に対する思い込みを一旦手放してみませんか。
2階建てを基準で考えるのではなく
まずは平屋を基準として家づくりを考えてみることをおすすめしたいのです。
では、また。