それって本当に必要?
2020.1.27お金・設計・仕様
寝室や子ども部屋といった個室が2階にある
一般的な2階建ての家の場合、
それらの部屋はゆったりとした広さを確保することができるでしょう。
さらにまだ2階にはスペースが余るので
収納までもゆったり確保することが出来ます。
しかしその反面、
1階に十分な収納量を確保出来ないことが多く、
片付けがしにくくなりがち・・という傾向があります。
子ども達が荷物を自分の部屋まで持って行ってくれないため、
それらがリビングやダイニングに散乱することになるからです。
こんにちは。シンプルノート熱田スタジオ/一宮スタジオ 堀内です。
そこで、一般的には1階に和室をつくったり
あるいは1階に余分に収納を確保することで、
その問題を解決するという手段が考えられるのですが、
そうすれば建築コストが高くなってしまい、
結果、予算オーバーを招くことになり、
そのしわ寄せが日々の生活にのしかかってくることになります。
また、家の面積が広がれば、
冷暖房効率も悪くなるため、
毎月の電気料金までも、高くなってしまいます。
これからの生活を少しでも楽にするためにも、
建築コストをアップさせることなく、
また電気料金もアップさせることなく、
最小限の予算で、より使いやすく、
より暮らしやすい家をつくる工夫をすることが
とても大切となってきます。
そのためには2階建てありきで家を考えるのではなく、
出来るだけ1階だけで暮らしを完結させられるように
間取りを考えていきます。
1階に部屋や収納が多くあった方が、
住み始めたころも、そして将来的にも、
間違いなくずっと使いやすく暮らしやすいと思いませんか?
しかしながら、1階が大きくなればなるほど、
建築コストは割高になってしまうものなので、
建築コストの上昇を抑えていくための工夫が必要になります。
そのためには、本当に必要なものなのか?という
家づくりへの問いかけが有効です。
その1:その廊下は本当に必要か?
家には、廊下があることが当たり前となっていますが、
この廊下にも、部屋や収納と同じようにコストが掛かっている
という事実に目を向けている方は、意外にいらっしゃいません。
また、廊下をつくればドアの数も必然的に増えることになるし、
その廊下に接するドアは閉めておきたくなるものです。
結果、廊下の面積に加えて、
ドアの数だけさらに家のコストがアップすることになるし、
ドアを閉め切ってしまうと、
家の中には温度差が生まれやすくなってしまいます。
それゆえ、廊下を最小限に抑えるか、
あるいは限りなくゼロに近づけていきます。
その2:子ども部屋にその広さは必要か?
2階建ての家の場合、
当たり前のように2階に子ども部屋をつくり、
しかも6帖という広さを確保します。
しかし、現実的に考えると、
2階につくった子ども部屋が使われる期間は限られています。
小さいうちは親と一緒に過ごすでしょうし、
成長すれば、やがて家を出て行くことになるからです。
そこで、子ども部屋は1階につくることをオススメしています。
この方が、この部屋をずっと無駄なく使いやすいからです。
とはいえ、6帖という広さのまま1階につくってしまうと、
単純に建築コストは跳ね上がってしまうため、
1階につくる場合は、子ども部屋の面積を少し縮めるようにします。
もちろん、予算があるのであれば、
自由に広くとっていただいても全然構いません。
その3:寝室にその広さは必要か?
そして、子ども部屋に限らず、
寝室だって無駄に広げる必要は一切ありません。
昔のようにタンスや鏡台といった置き家具もないですよね?
寝室は、文字通りただ寝るだけの部屋です。
であれば、この部屋もあなたが寝るベッドさえ置くことが出来れば、
それだけで充分だと思いませんか?
いかがですか?
この3つの要素を見つめ直すだけでも、
実は、建築コストを大幅にカットすることが出来るようになります。
そして、平屋の実現も充分可能になってきます。
ですから、図面に記載されている坪数や、
平面図で見る部屋の広さにこだわることなく、
現実的に暮らし始めた後のことを想像しながら、
予算内で実現出来る、あなたのご家族にとって、
生涯において暮らしやすい家とはどんな家なのか?
ということを、真剣に考えるようにしていただければと思います。
では、また。