家といえば2階建て?
2020.1.10お金・設計・仕様
年末年始はご実家に帰省されましたか?
ご高齢となった親御さんの中には
「平屋に住みたいな~」という思いをお持ちの方も
いらっしゃることでしょう。
こんにちは。シンプルノート熱田スタジオ/一宮スタジオ 堀内です。
2階建てと平屋を比べてみると、
平屋の方が住みやすいだろうと
誰もが思うのではないでしょうか?
しかし、現実は、平屋で家を建てる方は少なく、
ほとんどの方が2階建ての家を建てられています。
もちろん、敷地の広さや建築基準法の制限によって、
平屋を建てることが出来ない土地もありますが、
この場合でも、出来る限り1階に部屋や収納をつくり、
2階へのウェイトを最小限に抑え、
より使いやすく、より住みやすい家になるようにすることは可能です。
~なぜ、2階建てありきで家を建ててしまうのでしょうか?
理由その1:みんなが2階建てにしているから
敷地の広さや形状に関係なく、
当たり前のように2階建てにしてしまう最大の理由は、
おそらくこれではないでしょうか?
家の基本は「平屋」から始まります。
耐震面で考えても、出来るだけ平屋にすることが好ましいのですが
なぜか、住宅会社側までもどんな敷地であろうと、
2階建てで設計することが当たり前となっています。
理由その2:平屋は高いと聞くから
けっこう多くの方が「平屋は高い」というイメージを、
お持ちなのではないでしょうか?
確かに、平屋は2階建てに比べて、
坪単価がどうしても高くなってしまいます。
しかし、平屋にすれば、
2階建てでは絶対に必要となる階段がいらなくなるし、
廊下も2階建てに比べてカットしやすかったりします。
また、全てのスペースが1階にあるため、
部屋数も最小限に抑えることが出来るし、
その1つ1つの広さも最小限に抑えやすくなります。
つまり、平屋にすれば、
使いやすさや住みやすさを一切損なうことなく、
家をコンパクトにすることが出来るというわけなのですが、
この結果、2階建てと同じぐらいの価格か、
あるいは2階建てより安く建てることが出来るようになります。
理由その3:坪単価や数や広さにこだわるから
家の価格を最も左右するのが家の面積です。
当たり前のことですが、
家を大きくすれば、総額は高くなるし、
家を小さくすれば、総額は安くなります。
しかし一方で、
家を大きくすれば、坪単価は安くなるし、
家を小さくすれば、坪単価は高くなります。
ここから分かることは、
子供部屋は○帖欲しくて、寝室は○帖欲しくて、
あんな部屋も欲しいし、こんな部屋も欲しいといった
ご要望をお持ちの方は、坪単価は安く建てられる反面、
家の面積は大きくなり、
結果的に家の総額は高くなってしまうということです。
それゆえ、坪単価や部屋数、部屋の広さなどにこだわる方は、
割安で建てられる2階建てにせざるを得ないというわけなんですよね。
理由その4:かなり広い土地が必要だと思っているから
なにも建っていない土地を見たら、
実際の広さに比べるとずいぶんと狭く感じてしまいます。
それゆえ、多くの方が必要以上に広い土地を探そうとしてしまうし、
ましてや平屋を建てたいとなれば、
もっともっと広い土地じゃないとダメだと思ってしまい、
そんな大きな土地は買えないと諦めてしまいます。
しかし、現実的には50坪台の土地でも
平屋を実現することは十分可能なのです。
無駄に土地を広く買わず、無駄に家を大きくしなければ、
最も安い価格で手に入れることが出来るマイホームが、
平屋というわけです。
そして、平屋にしておけば、
定期的なメンテナンスコストも抑えられるし、
将来、1階に部屋や収納が足りないことや、
洗濯干場に困ってしまうことが原因となる、
無駄な増改築費用も必要なくなります。
また、生涯ローンである電気代も、
家をコンパクトにしておいた方が安く済むため、
最初にかかる建築費用だけじゃなく、
継続的に掛かり続けていくランニングコストも
安く抑えることが出来るようになります。
ということで、
『家といえば2階建て』という固定概念に縛られることなく、
中長期のことまでしっかり考えた上で、
家づくりをするようにしていただければと思います。
では、また。