数十年後に家のことで悩まないために
2019.2.22暮らしを考える
先日、建築家・平尾卓氏を招いて
「失敗しない賢い家づくり勉強会」を
開催いたしました。
こんにちは。三協建設 堀内です。
私自身は
この平尾氏の話を何度も聴いているのですが、
それでもやはり毎回
深く共感しながら
聴いてしまいます。
平尾氏が訴えている多くの問題点は
私自身が長年にわたって
現場監督として携わってきた中で
たくさん目にしてきた内容だからです。
あれこれ雑誌を見て
色々な家を見て
夢のマイホームを建てる時には
ほぼ全員の人があんなに
キラキラと輝いた目で家を見つめていたのに。
一生に一度のことだから。
やり直しができないから。
後で後悔したくないから、と
あれも、これも、
たくさんの要望を叶えたハズの家を
数十年後に見つめる目は
同じようにはキラキラと輝いていなかったりするのです。
現場の人間として、
家を建てた後の方から受ける相談は
「家を建てること」と
「家で暮らしていくこと」の
ギャップによるものが多くを占めます。
ほとんどの方が
家を建てる時点では、
見ていなかった部分なのです。
もしかしたら、頭のどこか片隅には
あったかもしれません。
でも、あえて見ようとは
しなかった部分なのかもしれません。
建築に関わる身としては、
家を建てたら
そこに住む方には
「生涯に渡って、
その家で幸せに暮らしていただきたい」と
願ってやみません。
というより、
それを願わない人間は
いないとも思います。
職人さんにとっても
持てる技術を駆使して
心を込めて建てた家です。
住む方にとって
「生涯に渡って
良い家となるように」
という想いを込めて建てた家です。
数十年後に
「こうするんじゃなかった・・・」と
後悔される姿なんて
出来ることなら見たくはありません。
しかし。
現実には、
多くの方が、暮らしについての
お悩みを抱えていらっしゃいます。
例えば、
あなたが巣立った後のご実家で
お父さんやお母さんは
家への将来的な不安や負担を
感じてはいらっしゃいませんか?
その不安や悩みは
今から30年後のあなた自身に
訪れる内容かもしれません。
もちろん、時代は変わっていくでしょう。
しかし、その不安や悩みが
家を建てる前から予測できていたとしたら
悩み事になっていないことも多いように
思うのです。
間取りについても。
メンテナンスについても。
コストについても。
建てる前からわかっていたなら
その時がきたとしても
「ああ、そうか」と受け止めるだけですみます。
自分が予想していなかった状態になった時に
その対応に困って、それが
悩み事に変わってしまいます。
「今」だけを見ていませんか?
と、何度も繰り返し
このブログで
あなたに問いかけ続けています。
家をつくる側の人間だからこそ
経験してきたこと、
みなさまから頂いたご相談を
無駄にはしたくないのです。
そういったことを思い続けている私は
だから、余計に
建築家・平尾卓氏の理念に
深く共感するのかもしれません。
話を伺うと
彼も建築の現場で
たくさんの家と
そこに暮らす人を
見つめてきたからこそ
今の設計に行き着いたとのこと。
そんなバックボーンがあるからこそ
デザイン性とか、
合理性とか、
コストとか、
そういったものの根っこの部分には
「“暮らし”を考えて欲しい!!」
という想いが詰まっているのだと
思うのです。
「どんな家にしようかな~?」と
ではなく
「これから先の人生をどう生きていこうか?」
を考えてほしいという想いが
詰まっているのだと感じるのです。
平尾氏の設計は、
そんな「暮らし」のための家を
カタチにしています。
現実のモノにしているのです。
・・・何だか暑苦しく語ってしまって
すみません。。。
「住む人が生涯に渡って幸せに暮らせる家」
って、なんだか理想論のようで
現実的ではないような感じがするかもしれません。
もっと、
「〇〇のある家」とか
「〇〇な家」とか
「〇〇〇万円で建てる家」とか
イメージしやすく、目に入りやすい
キャッチはいくらでもあるとは思います。
でも私は、
家を建てた数十年後のあなたに会った時に
建てる前に予測できていれば
解決できていたかもしれないことで
悩んでいて欲しくないのです。
数十年後にお会いしたあなたには
どうか笑顔で暮らしていて頂きたいのです。
そのためには
家を建てるあなた自身に
知ってもらわなくてはいけません。
家づくりの本当のコトを。
家を建てるあなた自身に
考えてもらわなくてはいけません。
今や少し先の未来だけでなく、
もっと先の未来のコトも。
だから、私はやっぱり
あまりキャッチーではない
この長々としたブログで
家づくりで本当に考えてほしいことを
何度も何度も
発信していくのです。
これから家を建てようとするあなたに届くまで・・・。
では、また。