無垢材の床は高くてキズつきやすいもの?
2019.2.4お金・設計・仕様
床材について
「無垢の床っていいな~と思うけど
高いし、キズがつきやすいんでしょ・・・?」
と言われることがよくあります。
一般的にそういった
イメージをお持ちの方は
多いのではないでしょうか。
こんにちは。三協建設 堀内です。
まず。
私は、家の仕様を決める時に
必ずお伝えさせていただいていることがあります。
それは予算をかけていく順序、
つまり優先順位です。
もちろん、全てのものに予算を
十分にかけられる余裕があればよいのですが、
あなたの限られた予算を
どういった部分にどの程度かけていくのか?という
“基準”を持つことは、
仕様を決める上でとても大切なことです。
仕様決めというと何をイメージされますか?
キッチン・システムバス・洗面化粧台・トイレ、
外装材・玄関・建具・床材・壁紙・照明・・・などを
イメージされる方が多いかと思いますが、
地盤・基礎、土台・柱、耐震・防火・断熱などの
躯体性能も大切な仕様の一部です。
さて、先ほどの
予算をかけていく優先順位の高い箇所というのは、
どんな部分だと思いますか?
それは、
“容易に変えられない部分”
“長持ちさせなくてはいけない部分”です。
地盤・基礎、土台・柱、
耐震・防火・断熱などの躯体性能や
外装材や床材など、
容易に変えられないからこそ
長持ちさせなくてはいけない部分から
順に予算をかけるようにすることが
生涯にわたって安心・安全に暮らすことができる長持ちする家
をつくることにつながっていくと思います。
予算をかけたくなる代表格ともいえる
住宅設備(キッチンやトイレやシステムバスなど)は
実は、数十年経って老朽化した際に、
取り替えることが可能ですし、
取り替えを前提としたつくりとなっています。
もちろん、素敵なキッチンや
快適なシステムバスなどで
毎日楽しく暮らすことも大切だと思いますが、
“生涯にわたって”という視点からも
考えていただければと思います。
さて、冒頭の
「無垢の床っていいな~と思うけど
高いし、キズがつきやすいんでしょ・・・?」
というお声の中の“価格”という部分については、
まさにピンからキリまであります。
高いものはやはり高いですが、
お値打ちなものもありますので、
手の届かないものではないと思います。
そして、床材というのは
容易に取り替えることができない部分でもあります。
“生涯にわたって”という視点から
予算をかける優先順位を
少し上げてみてもよいのかなとも思います。
もう1点の“キズがつきやすいかどうか?”
という部分ですが。
これは、“キズそのものが嫌なのか?”
“キズが目立つことが嫌なのか?”によって
捉え方が異なってくる部分です。
まず、キズそのものが嫌という場合は
もちろん、無垢材より強度を強化された
フロア合板の方がキズはつきにくいです。
では、キズが目立つことが嫌という場合。
実は、無垢材よりフロア合板の方が
目立ちやすかったりするのです。
え?どういうこと?
と、思われますよね。
まず、床のキズが目立つのは
光の反射によるものです。
(う~ん?という方は、中学で習った
光の反射と屈折を思い出してみてくださいね。)
つまり、光沢のある工業製品についたキズは
光の反射によって目立つことになります。
しかし、無垢材に自然塗装を施した床材についたキズは
光が色々な角度に反射されることになります。
(いわゆる、乱反射ですね)
それによって、ついたキズが目立ちにくいという
側面もあるのです。
ここで、自然塗装とあえて表記しました。
キズや汚れを防ぐためにウレタン塗装などで
無垢材の床にコーティングをされる方も
いらっしゃると思います。
表面にこういったコーティングをするということは
木の呼吸を止めてしまうということです。
もちろん、汚れは染み込みにくくなりますが、
表面にコーティングしたことによってツヤがでて
光の反射によって、
逆にキズが目立ちやすくなります。
古いお寺などをイメージしてみてください。
歴史のある木造の古いお寺の床などは
おそらくキズだらけではないでしょうか。
これを、
キズがついていて嫌だと感じますか?
味わい深く、落ち着くと感じますか?
床材を選ぶ基準は、
あなたが何を大切にしたいと感じるのか
ということです。
そこで、どんな暮らしをしたいと思っているのか
ということです。
水まわりなどの濡れやすかったり
汚れやすい場所では
水に強い素材(フロアタイルなど)を
選ぶという選択肢もあります。
というブログでもお伝えさせていただきましたが、
どんな素材を選ぶ場合も、
それがあなたにとってどうなのか?を
一方向からだけでなく、
是非ともいろいろな方向から考えてみてください。
今回は、
キズがつきやすい≠目立つ
キズがつきやすいからといって、
目立つとは限らない
というコトをお伝えさせていただきました。
では、また。