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外壁の耐久性とメンテナンス

2019.1.21
お金・設計・仕様

メリットしかないものというものは

存在しません。

どんなものにも必ずデメリットはついてくるのです

・・・とこのブログでも何度かお伝えさせて頂いております。

 

それは、特徴をどうとらえるかということでも

あると思います。

そして、物事を一方向からだけではなく

多方向から見るということでもあると思います。

こんにちは。三協建設 堀内です。

 

家づくりにおいても

一面からだけでなく、

別の面からも見ていただきたいことは

たくさんあります。

 

家は建てたら終わり・・・ではありません。

適切なメンテナンスを重ねながら

長く付き合っていく相手です。

 

建てた後のメンテナンスというと

イメージしやすいのは

「外壁」ではないでしょうか?

外壁は一番紫外線にさらされる部分ですから、

紫外線劣化しやすい場所でもあります。

 

数十年前に建てたと思われる家が

建ち並んでいるエリアなどでは、

外壁工事中の家をあちらこちらで

見ることができるかと思います。

外壁塗装工事だったり、

外壁張り替え工事だったり・・・。

 

できれば、外壁は

メンテナンスフリーのものを選びたい!

という方も多いかと思います。

 

そうですよね。

出来れば、手間は少なくしたいのは

正直な気持ちです。

 

しかし、様々な素材がありますが、

適切なメンテナンスは必要です。

 

メンテナンスの頻度や方法、コストは

それぞれ異なりますが、

建てたそのまま、ずっと

完全にメンテナンスフリーの外壁というものは

今現在、存在しません。

 

タイルはメンテナンスフリーじゃないの?と

思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。

 

確かにタイルの素材自体は耐久性があります。

しかしタイルの目地の隙間などから雨水が侵入した場合、

タイルの下のコーキング材は劣化するものですから、

雨漏れにつながることもありますので、

外壁のメンテナンスが要らないというわけではありません。

 

他に、耐久性がある素材と言えば、

自然素材で調湿効果も高いことから

内装材や外壁にも人気の「漆喰」も挙げられますね。

 

通常の仕上げ材よりも高価なこともあり、

私、個人としては

「生涯においてつかってもよい住宅予算」を守れるなら、

取り入れてもよいのではないかな?と思う素材です。

 

天然素材の塗り壁である漆喰には、

湿気を吸ったり吐いたりする

吸放湿性能があります。

室内に使えば、湿度を吸う事で

室内環境を快適にする助けとなります。

 

また、自然の力で有機物を分解する

自浄作用を備えているというのも

魅力の一つではないでしょうか。

 

そして、漆喰がカビの大敵である湿気を

吸ってくれるのでカビの発生を抑制すると

言われています。

漆喰は強アルカリ性です。

この強アルカリ性は殺菌作用もあり

カビの発生を抑制する働きもあります。

 

ただ、もちろん

漆喰にもメリット、デメリットがあります。

 

自浄作用があっても、

定期的に汚れが付着する場所では

分解が追い付かず汚れが残ってしまうこともあります。

 

そして、吸放湿性能があるこの素材、

「吸」った湿度を、「放」つことができないと

どうなるでしょう?

 

吸った湿気を吐かせてあげないと、

漆喰はカビの原因になる湿度を

ずっと蓄えたままになります。

すると、そこにカビの胞子が付着し、

限界量を超えてカビが発生してしまうこともあるのです。

 

山の近く自然豊かで緑が多い場所、

池や湖の近くなどの湿気の多い場所の

外壁に使用した場合、

特に日の当たりにくいところでは

水分を蓄えたままの状態が続くことも・・・。

 

大気中・そして雨中の汚れが壁に付着し、

その汚れに対してカビの胞子が付着します。

たとえ防カビ性能が高い素材であっても

一定の条件が揃うとカビが発生することもあるのです。

 

こういった場合は

状況によって異なるので一概には言えませんが、

防カビ剤をうすめて塗ったりすることも、

大切なメンテナンスの一部となってきます。

 

さて。

汚れとして見える「見た目」という面と

素材の「耐久性」という面は

全くの別のものです。

 

この場合、

漆喰は呼吸をしているので、

「吸った」汚れを自身の中に

蓄えています。

 

この「見た目」だけを重視して、

汚れを蓄えてしまうことを防ごうと

漆喰の上から塗料を塗ってしまう

という方法も考えられるかもしれません。

これは、漆喰の呼吸を

止めてしまうということです。

 

メリットであるはずの

漆喰が呼吸をするという性質を

デメリットとして、

とらえるということですね。

 

しかし、この場合

もちろん、塗料を塗った当初はキレイですが

コーティングした塗料が紫外線劣化してくると

塗った表面がとれてきてしまいます。

一番劣化しやすいのは、

塗料に含まれる有機質の接着材なのです。

 

実は、漆喰自体には紫外線劣化はありません。

漆喰の主原料である

消石灰(水酸化カルシウム)は無機質です。

 

たとえ「見た目」には汚れているように見えたとしても

漆喰は「耐久性」のある自然素材なのです。

耐久性があるからこそ、歴史を重ねた建物では

独特の味わいがでてくるのですね。

それを真似て、わざとエイジング加工する場合も

ありますよね。

 

見た目が悪い≠耐久性がない

見た目と耐久性はイコールではありません。

全くの別問題です。

 

あなたが外壁に望むものが「耐久性」で

あるなら、末永く付き合っていける素材であることに

間違いはないのです。

 

どんな素材を選ぶ場合も、

それがあなたにとってどうなのか?を

是非、いろいろな方向から考えてみてください。

 

適切なメンテナンスをして

家とずっといい関係で付き合っていけるとよいですね。

 

では、また。

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