寒い冬の夜に
2018.12.14お金・設計・仕様
ここ最近、一気に寒くなりましたよね。
我が家の子どもたちも体調を崩しております。
お子さんがおられるご家庭では
急に寒くなるこの時期は、風邪に注意が必要ですよね。
お子さんだけでなく、大人の方も
注意が必要となってくる季節でもありますね。
寒かったり、手足が冷えたりすると
風邪をひいていなくても、
なんだか気分が滅入ってきたり
パワーもダウンしてしまうような気がするのは
私だけでしょうか・・・。
こんにちは。三協建設 堀内です。
現在、日本における既存住宅のうち
平成11年の断熱基準を満たしている住宅の割合は
全体の約5%程度しかなく、
一方で約40%は断熱材の入っていない
無断熱の住宅であると言われています。
となると、家の中を常に暖かく保とうとすると
暖房費用がかかりますよね。
暖房費用を節約しようと、
「冬は寒いものだからしょうがない。」
「冬の夜なんて、寒いのが当たり前。
布団にしっかり入っていれば、
布団の中は温かいんだから大丈夫。」
「お風呂に入って温まれば大丈夫。」
って、言われる方もいらっしゃると思います。
「ウォームビズってのもやってるし、
暖房はつけない方がいいんじゃない?」
って、言われる方もいらっしゃると思います。
でもウォームビズは、冬期の室温設定の“適正化”を
訴えているものであって、
暖房をつけない方がいいという
取り組みではありません。
節約もエコももちろん大切ですが、
その前にまず、全体として日本では、
寒さを過剰にガマンする傾向が強いように思います。
寒さに強い体にしよう!とかいう
フレーズを目にすると、
寒さをガマンしなくては・・・と
思ってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
でも、寒さに強い体づくりというのは、
寒さをガマンすることとイコールではありません。
適度な運動を取り入れて
筋肉量を増やし、基礎代謝を上げることだったり、
バランスのとれた食事や、質の良い睡眠をとることだったりするのです。
寒い家の中で、ぶるぶると震えながら
寒さをガマンしても、寒さに強い体になるワケではありません。
日本と海外では寒さに対する考え方が
違うってご存知ですか?
欧米では“寒さは人を弱くする”
という考え方がベースにあるようで
冬時期は暖房をつけっぱなしにしていたり、
断熱にも力を入れているので、
低温(温度差)による健康被害のリスクは低くなっています。
イギリスでは、室温と健康の相関関係の研究が進められており、
寒い家は危険だという認識を多くの人が持っています。
冬場の室温が18℃以下に下がる家を建ててはいけない、
と決められているほどです。
どうして、寒い家は危険なのでしょうか?
様々な研究が進められているようですが、
まず、有名なところで
ヒートショックがあげられると思います。
ヒートショックとは急激な温度変化が
体に及ぼす影響のことで
人間の体は体温を調節しようと
血管を収縮させるので、
室温の変化によって
血圧が急激に変化するため
起こります。
高齢の方にとっては
心筋梗塞や脳血管障害などにもつながる
とても危険なことなのです。
温度の高い場所から、温度の低い場所へ。
温度の低い場所から、温度の高い場所へ。
暖房の効いたリビングから、寒い脱衣所へ、そして温かいお風呂へ。
温かいお風呂から、寒い脱衣所へ、そして温かいお布団へ。
温かいお布団から、寒い廊下、そして寒いトイレへ。
いくら布団の中が温かくても
夜中にトイレに行くために起きた、その先が寒ければ、
ヒートショックの原因にだってなり得るのです。
ヒートショックの他にも、
室温が低いことのリスクは潜んでいます。
たとえ布団の中で体が温かくても
室温が低いということは、
冷たい空気を吸い続けている
ということになります。
喘息発作をお持ちの方は
イメージがしやすいかもしれません。
喘息発作って夜から早朝にかけて
起こりやすくなると言われています。
寝ている間は昼間より呼吸する量が少なくてもいいので
自然と気道が狭くなっています。
そこに朝方の冷たくなった空気を吸い込むと、
気道はさらに狭くなり、また冷たい空気が刺激となって、
発作が起こりやすくなると言われています。
冷たい空気って、刺激になるんですね。
また、吸った空気の行き先である肺は
冷たい空気や乾燥に弱い臓器であるとも言われているのです。
いくら布団の中が温かくても
室温が低いということは、
そんな冷たい空気を、眠っている間中
吸い続けているということでもあるのです。
暖房をしっかりとつけて、
室内温度が低くなりすぎないように
調節したいですね。
特に夜間は換気が難しいので
輻射熱で暖めてくれるオイルヒーターのような
空気が汚れない暖房器具が
オススメです。
また、空気が乾燥しやすい冬場は
加湿も重要ですよね。
是非、お部屋の中に温湿度計を置いて
室内の温度と湿度の調整を心がけてみてください。
では、また。