こどもの片づけ~収納を増やせば片付くのか?
2018.10.19お金・設計・仕様
先日、うちのスタッフから
「この本、読みやすくてオススメですよ~」と
1冊の片づけの本を紹介されました。
こんにちは。三協建設 堀内です。
スタッフから紹介された本はこちら。
「小学生のための楽しいかたづけ
~10歳からはじめるライフオーガナイズ」
(日本ライフオーガナイズ協会著)
小学生のための・・・って!!!
しかも、中はマンガが満載(笑)
油断して読み始めたのですが、
小学生向けとあって表現もやさしく、
これが本当に分かりやすいのです。
考え方としても共感できる部分が多くありました。
お客様とお話をしていて、
「子どもが散らかしっぱなしにするから
リビングが片付かないんです・・・」
「片付かないから収納を多くしたいんです・・・」
ということをよく聞きます。
収納を面積として多くすることは
もちろん、できます。
ただ、そこにはコストがついてきます。
収納の量を増やせば、
本当に問題は解決するのでしょうか?
リビングが散らかるのはなぜなのでしょうか。
もちろん、ご家庭によって環境は違うので
これが原因!というものは
一つではないと思います。
自ら片づけが簡単にできるお子さんなら、
もちろん、散らからないでしょう。
でも、片づけたくても
その方法が分からなかったら?
そのお子さんにとって
片づけの方法が面倒くさいと感じるものや
難しいと感じるものだったら?
そのお子さんにとって
片づけるためのハードルが高い
場所に造りつけられていた収納だったら?
例えば。
2階の子ども部屋に、クローゼットを
造りつけていたとします。
それには一般的な
天井まである大きな折れ戸がついています。
あなたはその部屋まで移動することも、
クローゼットの扉を開けることも、
そこのハンガーラックに服をかけることも、
いとも簡単にできるかもしれません。
でも、お子さんにとって
そのどれか、もしくはすべてが
簡単ではなかったら・・・。
人によって、違いはあると思います。
お子さんにとってハードルになっていることは
何なのでしょうか。
たとえば、子ども部屋がリビングに近かったら。
たとえば、クローゼットに扉がついていなかったら。
たとえば、背の高いハンガーラックではなく
自分の目線の高さにあるラックだったら。
造りつけてしまうということは、
使用方法を限定するということでもあります。
一般的なクローゼットは
ある程度、使われるであろう方法を
想定してつくられています。
クローゼットの中に枕棚という棚がありますが、
この高さは一般的に180cmを基準に取付けます。
そして、その下にハンガーラックが取り付けられますが、
これは大人の身長を基準にしているからです。
こういった想定のクローゼットであると
理解した上なら、これも正解です。
ただ、小さなお子さんがそのクローゼットを
想定された使用方法で使えるようになるのは
何年か後になります。
それよりも、
その時々のお子さんの成長に合わせて、
最も使いやすい方法・収納方法を
取り入れてみるというのもありかもしれません。
モノが多すぎるから収納量を増やしたいという場合も
もしかしたら、お子さん自身が
「とっておくモノ」と「そうでないモノ」の
分け方を知らないだけかもしれません。
分け方はなにも
「必要なモノ」と「必要でないモノ」の
2種類だけではありません。
お子さんによって、価値観は違うし
大切にしたいモノの基準も違います。
大人から見たら、ガラクタのような石ころが
宝物だったり。
逆に、大切そうに見える作品が
もういらないものだったり。
でも。
その分け方を知らないから、
全てを一緒にとってあるのかも?
収納をつけ足すコト・増やすコトは簡単にできます。
コストを考えなければ。
しかし。
もう一度考えてみて頂きたいのです。
あなたが本当に望んでいることは
収納量をつけ足すコト・増やすコトでしか
叶えられないのでしょうか?
では、また。
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