「子ども部屋は2階」という常識を見直す:未来を見据えた家づくりとは
2024.11.8お金・設計・仕様
家を建てることは、多くの人にとって
人生の大きな決断のひとつです。
そして、「家を建てる」と聞くと、
まず頭に浮かんでくるのが「2階建て」という
イメージではないでしょうか。
そして、その2階には当然のように
「子ども部屋」を配置することが
当たり前のように思われがちです。
ですが、この「常識」は本当に正しいのでしょうか?
こんにちは。シンプルノート熱田/一宮スタジオの堀内です。
今回は、「子ども部屋を2階に作る」という
当たり前のような考え方について、
少し違った視点から見直してみましょう。
家を建てる際には現在だけでなく、
これからのライフステージを見据えた
間取りを考えることが大切です。
以下の4つのステージで見ていきたいと思います。
1.子どもが小さいうち
2.子どもが思春期になった時
3.子どもが自立し、家を出て行った後
4.自分たちが歳をとった時
では、それぞれのステージで
「2階の子ども部屋」が
どのように影響するかを見ていきましょう。
1.子どもが小さいうち
:リビングが散らかりやすくなる
家を建てるタイミングとして、
お子さんが小さいうちに建てる方が多いと思います。
幼い子どもは、自分の部屋で過ごすよりも、
親と一緒にリビングで過ごしたがる傾向が強いものです。
もし子ども部屋を2階に作った場合、
子どもが実際にその部屋を使うことは少ないでしょう。
その結果、リビングやダイニングに
おもちゃや絵本が散乱してしまい、
片付ける度に階段を上り下りする手間も増えます。
特に小さな子どもの遊び道具は毎日使われるため、
リビングに置きっぱなしにしておくことが多く、
これが日々の「片付けやすさ」を妨げる原因になります。
この時期に子ども部屋が1階にあれば、
親の目が届きやすい上、片付けもスムーズです。
1階に配置することで生活動線が短くなり、
リビングをより片付いた状態で保てるという利点があります。
2.子どもが思春期になった時
:2階の子ども部屋がプライバシーを提供
子どもが成長して思春期を迎えると、
プライバシーを求めるようになります。
この時期には、友達や恋人と
電話やビデオ通話をしたり、
親と適度な距離を置いたプライベートな空間を
大切にしたいと思うようになるでしょう。
そのため、思春期には
2階の子ども部屋が理想的に感じられます。
親と距離を保ちながら自分の時間を過ごせる空間は、
子どもにとって「自分の居場所」として
安心できる場所になるからです。
このように、思春期のことだけを考えると、
子ども部屋は2階にあると便利です。
しかし、家の間取りはこの数年間だけに限って考えることなく
さらに先のライフステージも見据えて考えることが大切です。
3.子どもが自立し、家を出て行った後
:活用の幅を持たせるための間取り
思春期を経て、子どもはやがて自立し、
家を出て行くことが多いでしょう。
高校卒業後、大学に進学するタイミングで
家を出る子もいれば、就職や結婚を機に
家を出る場合もあります。
いずれにしても、いずれ子どもが自立して
家を出ることを考えた間取りにしておくことは非常に重要です。
その後、空き部屋となった子ども部屋を
どのように活用するかを考える必要があります。
趣味の部屋や収納スペース、
客室として使うかもしれません。
ここで考えたいのは、
収納や趣味の部屋として活用する場合、
1階と2階のどちらが使いやすいかという点です。
例えば、収納目的であれば、
頻繁に使うものが1階にある方が便利です。
このように、将来を見据えて
子ども部屋を1階に設置することも一つの選択肢です。
これにより、家全体の活用度が高まり、
ライフステージに応じた柔軟な空間作りが可能になります。
4.自分たちが歳をとった時
:1階に生活基盤を置く利便性
最後に考えておきたいのは、
自分たちが歳を重ねたときの暮らしです。
年齢とともに階段の上り下りが負担になることもあるため、
老後生活を考えると、寝室を1階に配置し、
日々の生活を1階で完結できるようにするのが理想的です。
例えば、洗濯物を2階に運んだり、
わざわざ階段を上り下りして着替えを
取りに行くのは大変な負担になることもあります。
1階に必要な生活空間をまとめることで、
より快適な老後を送ることができるでしょう。
将来的な体力や健康状態を考えれば、
1階に生活の基盤を置き、
無理なく過ごせる間取りが賢明な選択です。
まとめ
:家づくりの常識を見直して、未来を見据えた間取りを
現在の家づくりでは、「2階建てで子ども部屋を2階に配置」
というのが一般的な考え方かもしれません。
しかし、この「常識」が必ずしも正解とは
限らないことが分かってきます。
家を建てる際には、子どもが小さいうち、
思春期、そして自立した後、自分たちが高齢になった後まで、
長期的な視野で暮らしを見据えることが大切です。
これらを最初にしっかりと計画することで、
将来的な使いやすさやコストパフォーマンスも
高まる可能性があります。
子どもが巣立った後に無駄な空間を持て余すのではなく、
最初から多用途に使える空間を考えることで、
ライフステージの変化にも柔軟に対応できる
家づくりが実現できるのです。
私たちの考える最善の家づくりは、
無駄なコストを抑えつつ、住む人にとって最も合理的で
住みやすい空間を作ることです。
これから家を建てる方が、日常の生活だけでなく、
将来も見据えた間取りを考える参考になればと思います。
では、また。