変動金利を選ぶ時に
2018.9.21お金・設計・仕様
前回、住宅ローンの基本のキとして
金利のタイプについて簡単にお伝えしました。
こんにちは。三協建設 堀内です。
今回は、変動金利について
より具体的に、数字をあてはめながら
みていってみましょう。
住宅ローンの変動金利型は、
半年に1回、適用金利が見直されるとお伝えしました。
金利が上がった場合は、
これに連動して返済額が増えることになります。
ただ、返済額がコロコロと変わっては、返済計画を立てにくいので
元利均等の場合、金利が上がったとしても、
5年間は、返済額の中に占める
元金分と利息分の割合を変えて、
返済額が変わらないようになっています。
もし5年後に金利が上がってしまったとしても、
増額率の上限を25%と決めています。
(このルールを適用していない銀行もあるのでご注意ください)
じゃあ、最悪でも5年後に1.25倍になるだけだから
それがクリアできれば、大丈夫でしょ~?
なーんて、思っちゃダメですよ。
“返済額の中に占める
元金分と利息分の割合を変えて・・”
ココ、重要です。
どんな風に重要かというと・・・
じゃあ、ちょっと具体的な数字をあてはめて
シミュレーションしていってみましょう。
仮に、あなたが3,000万円の住宅ローンを
変動金利で、35年返済の元利均等支払い・ボーナス払いなしで
借りたことにしてみましょう。
今の変動金利は0.××%とかですが、
適用金利は1%だったとしてみます。
(計算しやすいので笑)
この条件で計算すると
毎月の返済金額は84,685円となります。
そして、2年の間
金利が上昇することなく、1%のまま
変わらず返済していったとします。
すると、2年後(24回の支払いが終わった時点)の利息の計算は
28,553,734円(残高)×1%÷12ヶ月=23,794.7円
毎月の返済額の84,685円から
この利息の23,794円を引いた、60,891円が
毎月の返済額に占める元金ということになるわけです。
金利上昇がなければ、25回目の返済では、
1ヵ月分の返済で元金が約6万円減っていくということになります。
では、もし金利が上がった場合はどうなるでしょう。
仮に2年後の金利がどーんと上がってしまって
3%になってしまったとしてシミュレーションしてみましょう。
28,553,734円(残高)×3%÷12ヶ月=71,384.3円
毎月の返済額は5年間は変わらないので、84,685円から
この利息の71,384円を引いた、13,301円が
毎月の返済額に占める元金ということになるわけです。
金利が上昇すると、25回目の返済では、
1ヵ月分の返済で元金が約1万3千円しか減っていかない・・・
もしこれが、もっともっと上がってしまったとして
4%になってしまったとしてシミュレーションしてみると・・
28,553,734円(残高)×4%÷12ヶ月=95,179.1円
あれ?利息の金額が毎月の返済額を超えている・・・。
こうなると、毎月計画通りに返済しても
元金が全く減らないどころか、
逆に、未払い利息が積み重なっていってしまうことになってしまいます。
毎月、毎月、10,494円の未払い利息が溜まっていくわけです。
そして、この状態が残り3年間続いたとしたら
10,494円×36ヶ月=377,784円・・・
毎月、計画通りに返済しても
こんなにも未払い利息が積み重なってしまうことになってしまいます。
もちろん、これは仮の話です。
住宅ローン金利が一気に2%も3%も
上がることは考えにくいわけですが。
でも、過去には1年の間で2%上がったこともあれば、
2年の間で3%上がったこともあるため、
絶対に可能性がゼロだとは言いきれません。
どうでしょう?
実際に具体的な数字をあてはめて考えてみると
イメージしやすくなったのではないでしょうか?
変動金利を選ぶ際は、
こういったことも理解した上で、
あなたは景気状況や金融状況に
常にアンテナを張っているタイプなのかどうなのか?
といったことも踏まえて、
選ぶようにしていただければと思います。
では、また。