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<家づくりの採光・日当たり問題>直射光の呪縛からの脱出

2024.8.5
お金・設計・仕様

家を建てる方の多くが、

直射光だけに頼って採光計画を立てようとしますが、

実のところ「直射光」だけで採光計画を立てると

かえって住みにくい家が出来上がってしまう上、

家づくりにかかる総コストも割高になってしまいます。

それは、「直射光だけに頼る=南向きにこだわる」

ということだからです。

 こんにちは。シンプルノート熱田/一宮スタジオ 堀内です。

人気のある土地である、南向きにこだわれば

土地代は確実に一番高くなります。

 

そして、南向きにこだわれば、

太陽の光により、明る過ぎるのと、眩し過ぎるのと、

また道路側である外から丸見えとなり、

カーテンやシャッターなどが必須となり、

建築コストも上がってしまいます。

 

南面にウッドデッキや庭をつくるにしても

道路側から丸見え過ぎることから

目隠しや植栽、塀などが必要となり、

さらにコストを押し上げることになります。

 

つまり、南向きにこだわると

土地・家・庭の全てがコストアップ

してしまうというわけですね。

 

さらに南向きにこだわり、

全ての部屋を南向きにしなければ

家が暗くなると思っているとしたら、

陰になる場所に部屋を配置することに

抵抗が生まれることでしょう。

すると、自然と2階建ての家になる可能性が高くなります。

 

そして、出来てしまった庭(余白)の維持管理という

手間が発生したまま、暮らし続けることになります。

もしあなたが今、アパートなどの1フロアの暮らしに

慣れているとしたら、移動距離の増える2階建ての家の

片付けや掃除、洗濯に余分な手間を取られることになります。

 

そこで今回は、「直射光」以外の

もう1つの光である「天空光」について

お伝えしようと思います。

 

「天空光」とは、

太陽光が大気中の水蒸気や塵などで乱反射した光のことで、

直射光ほどの熱の高さや明るさ・眩しさがない一方で、

方向性がないため均一した採光を得ることが出来るという

特徴を持っている光のことですね。

 

つまり「天空光」の存在さえ

あらかじめ知っておくことが出来れば、

直射光だけに頼らなくても

安定した採光を確保することが出来るというわけです。

もちろん、たとえ日当たりが悪そうな土地だとしても、です。

 

✔️直射光でないとダメなところと直射光でなくても良いところ

 

家を建てる前に知っておいてもらいたいことが、

自分にとって直射光でないとダメなところと

直射光でなくても良いところが、どこなのかということです。

 

例えば、リビング。

ほとんどの家がリビングに直射光がたくさん差し込むように設計しますが、

ここに日光が入り過ぎるとかえって快適じゃなくなってしまいます。

テレビの画面も見にくくなりますしね。

 

一方で、洗面や脱衣。

これらも含めて水回りは南以外に配置されることが多く、

かつ窓も小さめに設計されることが多いのですが、

そうなれば薄暗くジメッとした空間が生まれやすくなります。 

明るくカラッとした場所にしたいと思っているにもかかわらず、です。

基本、室内干しをする方なんかはなおのことそうではないでしょうか。

 

続いて、寝室。

ここは文字通り寝るだけの部屋であり、

太陽が沈んでいる時間しか使っていない部屋ですが、

ではこの部屋を南向きでつくる意味は一体なんなのでしょうか。

 

子ども部屋も。

南向きにすれば日中ずっと太陽の光が入り続けるため

かえって勉強に集中しにくくなってしまいそうですもんね。

 

このように、家を形成する1つ1つの部屋が

一体どちらの光が必要なのかを自分なりに考えてみると、

案外、直射光にこだわる必要がないことに気付けるため、

結果的に、ずいぶんと間取りに自由度が生まれることになります。

 

ヒアリングの際に、

丁寧に部屋の位置まで指定しなくてよくなるからです。

 

そして、土地に合わせた

より暮らしやすくてより快適な住まいを

つくりやすくなります。

 

日陰でも部屋を配置しても問題ないと知っていれば、

敷地をフル活用出来るようになるため

「2階建てだけしか無理!」と思っていた土地でも

平屋を建てることが出来ますしね。

 

ぜひとも、光には「直射光」と「天空光」の

2つがあるということを

覚えておいてもらえたらと思います。

 

では、また。

 

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