せっかくの土地を無駄にしないために
2024.5.20お金・設計・仕様
土地を購入して家づくりをお考えの場合、
いろんな土地の価格を見比べられると思います。
このあたりなら、1坪あたり〇〇万円か・・・と
相場もわかってきますよね。
限りある予算ですから、せっかく購入した土地は
出来る限り有効につかいたいものです。
こんにちは。シンプルノート熱田/一宮スタジオ 堀内です
「建ぺい率」とは、その土地の上に、
どのくらいの広さまでの1階をつくっていいのかを
示す基準になります。
例えば、土地の広さが40坪で
建ぺい率が60%の場合、
その土地には、40坪×60%=24坪までの広さの
1階をつくってもいいということになります。
もちろん、それは
車を何台停めるつもりなのか、とか
庭をどのように使うのか、にもよって違ってくるのですが、
出来れば、制限いっぱいまで
1階を大きくつくることをオススメします。
その方が、より家が使いやすくなるし、
耐震性や耐久性も高くなるし、
庭の維持管理の手間も少なくてすむからです。
しかし、これからお伝えする3つの理由から、
多くの方が、せっかくのこの敷地を
残念ながら、あまり有効活用出来ていません。
理由その1:家は「日なた」に建てるという当たり前にとらわれているから
日当たりのいい家にすることが大前提なので、
日かげが極力出来ない土地を探すことや、
日かげが出来てしまう土地であれば、
その日かげを避けて間取りを考えることが、
一般的な家づくりでは当たり前となっています。
でも、よく考えてみてください。
果たして「全ての部屋」の
日当たりを良くする必要はあるのでしょうか?
また、「全ての部屋」を
南向きにする必要はあるのでしょうか?
この点をもっと掘り下げて考えていただくと、
もっと家づくりに自由度が生まれます。
つまり、日かげに配置しても構わない部屋があるとしたら、
無駄に敷地を余らせるよりも、選択肢が増えてくるというわけです。
理由その2:プライベートルームは2階という当たり前にとらわれているから
現在建っている家はほとんどが、
プライベートルーム、つまり個人の居室は2階におくという
原則を基に間取りがつくられています。
それが「当たり前」と、知らず知らずの間に
頭に刷りこまれているのではないでしょうか。
しかし、冷静に考えてみてください・・・
小さなお子さんは、
2階につくった自分の部屋を使うでしょうか?
一体いつからその部屋で寝るでしょうか?
わざわざその部屋まで
荷物を片付けに行くでしょうか?
また、子どもたちは成長し、やがて家を出て行きますが、
その時、その部屋を別の用途として使えるでしょうか?
そう考えてみると、敷地にゆとりがあるのに、
わざわざプライベートルームを
2階につくる必要性も疑問に思えてきませんか?
1階につくるという選択肢があっても
いいのではないでしょうか。
理由その3:「総2階建てはコスパに優れている」という当たり前にとらわれているから
そして、最後の理由が、
総2階建ての方がコスパに優れているという思い込みです。
逆に言うと、平屋は高いという思い込みですね。
確かに、「同じ面積」で比べれば、平屋の方が高くなるでしょう。
しかし、そもそも「同じ面積」で比べてもよいのでしょうか。
プライベートルームを全て2階につくった場合、
2階にはそれぞれの部屋に行くための
廊下が必要となりますし、
2階に上がるための階段も必要ですよね。
しかし、1階に全ての部屋がある場合は、
まず階段は不要ですし、廊下も最小限に抑えられます。
総2階建てにするために、もしかしたら
必要な広さ以上に大きく作っていたプライベートルームも
本当に必要な広さを再考してみたら、
最低限の広さでいいということにもなるかもしれません。
これはほんの一部ではありますが、
様々な思い込みを見直すことで、
住み心地や使いやすさを損なうことなく、
面積をカットすることが出来ます。
そして、その分コストをカットすることが出来ます。
このように、家づくりのよくある「当たり前」を
無条件で受け入れるのではなく、
別の角度からも考えてみることによって、
せっかく購入した土地を無駄なく有効に活用しながら
合理的で、使いやすく、暮らしやすい、
それでいてコストも抑えた家を
建てていただければと思います。
では、また。