家のコストをカットする方法-後編
2024.2.16お金・設計・仕様
前回に引き続き、建築コストのプラス要素の嵐を乗り越えるべく
マイナスのための手段をお伝えしていきたいと思います。
前回は、部材点数を減らすことについてお伝えしましたが、
今回はもう1つ、「家の面積を減らすこと」について
お伝えしていきたいと思います。
こんにちは。シンプルノート熱田/一宮スタジオ 堀内です。
品質を落とすことなく
家のコストを圧縮する最良の方法が
面積を小さくすることですが、
とはいえ、家が小さくなれば
生活に何かと支障が出るんじゃないか
という不安が顔をのぞかせることでしょう。
単に「面積を小さくする」と聞いただけでは
どうしても拒否反応が出てしまうのが
ほとんどの方の本音だと思います。
ですので、今回はその誤解を解くべく
その具体的な手段について
お伝えしていきたいと思います。
いくつかの合わせ技によって
面積を縮めていくのですが、
必ず全てを採用してくださいという話ではなく、
あくまでコストカットの手段を
知っておいてもらいたいだけなので、
その点をご考慮の上、最後まで
お付き合いいただければ幸いです。
ちなみに、家というと、35〜40坪ぐらいの大きさが
一般的な面積だと言われていますが、
この考え方を知ると、
少し見方が変わるかもしれません。
まずお伝えしたいことが、
面積をカットするにあたって
基本中の基本となる考え方です。
おそらく多くの方が
逆のイメージをお持ちであるため
意外だと感じられるかもしれませんね。
それは「平屋にすること」です。
なぜ平屋にすると面積がカット出来るのか?
これにはいくつかの理由があります。
1つ目が「階段」がなくなることです。
これは当たり前のことですが、
2階建ての家では階段が上下階合わせて2坪あるため、
まずはこれが必要なくなるというわけですね。
2つ目は「トイレ」が基本1つだけで良くなることです。
2階建てで部屋が全て2階にある場合は、
夜中にいちいち1階まで下りるのは面倒くさいため、
どうしても2階にも設置したくなりますからね。
3つ目が「廊下」をほぼゼロにしやすいことです。
これは平屋にしたら絶対になくなるのか
というと決してそうではなく、
もちろんなくなるような設計をしないといけないわけですが。
ただ一つ言えるのは、
高断熱・高気密化している今の家は
冷暖房効果を最大化するためにも
できる限り、廊下は無くした方がが良いということです。
理由は、廊下はペアガラスの空気層と同じように、
廊下そのものが空気を遮断する
断熱材のような役割を果たしてしまうからです。
4つ目が「たまにしか使わないような部屋」が
いらなくなることです。
理由は、2階建ての場合、
1階にはリビングとは別にもう1つ部屋がないと
子どもが小さいうちは何かと不便だし、
老後のことを考えると
1階に部屋がないと困るような気がするのに対し、
平屋にすると、
寝室も子ども部屋も収納も全てが1階にあるため、
そんな心配がなくなるからです。
親御さんが泊まりに来た時も、
まだ完全に使っていない子ども部屋で寝てもらえばそれで済むし、
あるいは、たまにならリビングに布団を敷いて
寝てもらえばいいわけですしね。
以上の4点が平屋にすることによって
縮められる要素というわけですね。
おそらくこれらを合わせると、
7坪前後は家を縮められるのではないでしょうか。
そして、次なる選択肢としては「部屋の広さ」です。
例えば、寝室。
あなたはここに一体何を置く予定でしょうか?
ダブルベッドを2台?
それともシングルベッドとダブルベッド?
それともベッドは置かずマットレス?
寝室の広さは、
そこに置く予定のものの大きさに依存することになります。
ゆえ、何を置くのかを明確にすれば
自ずと適切な広さが見えてくるんですよね。
今は昔のようにドレッサーやタンスを部屋に置かないし、
テレビも置かないでしょうし、
置いたとしても薄型なので場所を取りませんし、
隣接して巨大なウォークインクローゼットがあるでしょうから、
そもそも部屋に何も置かないでしょう。
本質的には、ただ寝るだけの部屋ですしね。
そして、部屋の広さに関しては子ども部屋もです。
スマホが普及したこともあってか、
今の子どもたちは部屋にこもりっきりにならず
寝る寸前までリビングで過ごすことが多いようですね。
子ども部屋は、広くつくればつくるほど
部屋に荷物が増えやすい原因となることでしょう。
なにより子どもたちは、そのうち家から出ていって
それっきり帰ってこない可能性が高いですからね。
そういった理由で、
部屋の広さも大手ハウスメーカーのモデルハウスのように
広々とした贅沢スペースにする必要はないのでは?
という視点も持っていただきたいのです。
もちろん、資金的にゆとりがあるなら
縮めていただく必要はありませんが。
いかがでしょうか?
面積を最大限カットしたとしても、
暮らしにくくなるような印象には
ならなかったのではないでしょうか?
前回の記事も含めて、
価格高騰の嵐を乗り越えるための
家づくりの大切な知識として
持っておいてもらえたらと思います。
家が小さくなれば、
その分、購入する土地も小さくできますね。
では、また。