「日陰=悪」なの?
2023.11.17お金・設計・仕様
多くの人は、日陰となる場所に家を建てたがりません。
そこには太陽高度が低くなる冬に直射日光が入ってこないからです。
一番、直射日光を入れたい冬に。
仮に家を建てる敷地が、日当たりが悪そうな場合、
広さ的には充分平屋が建てられる土地であったとしても
2階建てを建てようとします。
あるいは、あなたがこれから土地を探すのだとしたら、
直射日光を阻害されることがない南向きの土地を探すでしょうし、
直射日光が確保出来そうな広々とした土地を探すことでしょう。
しかし、これらは決してベストな選択肢ではないし、
コスト的にも負担がかかりやすくなることから
シンプルノートの家づくりではこれらと真逆の提案を
することになります。
こんにちは。シンプルノート 熱田/一宮スタジオ 堀内です。
まず、平屋が建てられるなら
たとえ日当たりが悪い土地でも平屋から提案するのは
その方が圧倒的に暮らしやすいからです。
子ども部屋も、
2階にあるより1階にあった方が小さいうちから使ってもらいやすいし、
自分たちのものを自分の部屋に持っていってもらいやすいですよね。
寝室やクローゼットだって
2階にあるより1階にある方が何かと便利ですよね?
毎日のこととなれば、その都度上に行くのって
面倒ですからね。
家事動線も上下移動がなく水平移動だけとなれば、
ずいぶんと楽になります。
これらはほんのちょっと想像したら誰でも分かることだと思いますが、
さらに想像力を未来に向けてみてください。
あなたが歳をとってからのことです。
健康な状態の今はこんなこと想像もつかないと思いますが、
誰だっていつどのタイミングで足腰が悪くなってもおかしくないし、
そうなれば2階に上がるのが今とは比べものにならないほど、億劫になってしまいます。
そのうえ1階に部屋が足りないとなれば
改築に加えて増築までしないといけなくなり、
大きな出費を余儀なくされるかもしれませんしね。
空っぽになった子ども部屋さえ下にあれば
そんな無駄な出費をしなくて済んだのに・・と後悔しても
後の祭りです。
以上のような理由から、可能であるならば
基本、平屋を提案しているというわけです。
そして、南向きや広い土地をおすすめしない理由は
コストを出来るだけ抑えながら家づくりをするためです。
南向きの土地は一番人気なので割高に価格が設定されているし、
広くなればなるほど土地の値段は上がってしまうし、
広くなれば土地代だけでなく外構費用も高くなるし、
固定資産税も高くなりますからね。
南向きの土地で南に部屋を配置して南に大きな窓をつくろうものなら
「どうぞ、家の中を見て!」と通行人に言っているようなもの。
プライバシーも守れませんし、もちろん防犯的にも良くありませんしね。
家の中を見られないようにするためや
敷地に侵入しにくくするための工事に
さらに多額のお金がかかり、
全て終わってみるとずいぶんと余分なお金がかかってしまった
・・ということになってしまいます。
「明るい=直射日光」じゃなくてもいい
例えば、玄関や廊下などは明るいに越したことはありませんが、
それが直射日光でなくてはダメ!というわけではありません。
それと同様に、寝室にも必ずしも直射日光が必要なわけではありません。
通常、寝室は日が沈んでから日が昇るまでの間に使う部屋ですしね。
また、子ども部屋にも同じことが言えます。
もちろん、明るくしてあげないといけませんが、
その手段が直射日光である必要はないと思いませんか?
書斎や仕事部屋も同じですが、
ガンガン直射日光が入ってくると日や時間によって光量にムラが出て
勉強や仕事をするにしてもなかなか集中出来ませんからね。
そんなわけで、各自のお部屋は
直射日光にこだわらずにつくってもいいわけです。
もちろん暗いのだけは絶対にNGですが。
これらの部屋の配置にこだわらなければ、
土地選びもしやすくなるし間取りの幅もずいぶんと広がるでしょう。
また、土地取得コストも抑えられるし、
より暮らしやすい家を、コストを抑えながら建てることが出来るでしょう。
これから家を建てる方は
部屋の向きにまでこだわる必要はないということを
どうか覚えておいてくださいね。
家は直射日光が本当に必要な場所だけ
南向きでつくることが出来ればいいわけですから。
では、また。