住宅ローンの返済期間は短い方がいい?
2023.5.8お金・設計・仕様
住宅ローンの支払利息は、
返済期間が長くなればなるほど大きくなっていきます。
例えば、3000万円を銀行から1%の金利で、
全期間固定で借り入れする場合、
35年返済(元利均等返済)の場合は
総返済額は円となり、
毎月の返済金額は84,685円となります。
一方で、30年返済(元利均等返済)の場合は
毎月の返済金額は96,491円と
35年返済の場合より11,806円上がるものの、
円となり、
35年返済の場合より830,896円減ることになります。
となると、返済が可能だとしたら
35年返済でローンを組むよりも
30年返済で組んだ方がいいのでは?と思いますよね。
ただ、実は必ずしもそうとも言い切れないので
今回はその理由についてお伝えしていきたいと思います。
こんにちは。シンプルノート熱田/一宮スタジオ 堀内です。
では、分かりやすく数字でお伝えしていきたいと思います。
数字がたくさんでうわっと思うかもしれませんが
面倒くさがらずについてきてくださいね!
大事なお金の話ですから。
✔︎11,806円の使い方
さきほど、35年返済と30年返済では、
毎月の差が11,806円あるとお伝えしましたが、
このお金の運用方法によって、
30年選ぶべきなのか35年を選ぶべきなのかが違ってきます。
パターン1:銀行に定期預金をする人
「貯金=銀行」という選択肢しか考えていない人は
出来るだけ返済を短くすべきです。
理由は、銀行の預金金利より
住宅ローン金利の方が高いからだし、
銀行にお金を預けていても全くと言ってよいほど
お金は増えないからです。
では、銀行の定期預金金利は0.002%なので、
それでどれくらいお金が増えるのか
簡単に試算してみますね。
(年間貯金)
11,806円×12ヶ月=141,672円
(年間利息)
141,672円×0.00002=約2.8円
かつ、ここから税金が約20%引かれるので、
2.8円×0.8=約2.3円
金利が低くてお金が増えないことを
知っている人は多いでしょうが、
実際の数字で見るとその実態が
よりリアルにイメージできるのではないでしょうか。
ですから、無難に銀行にお金を預ける
という選択肢しか選ぶつもりがないのでしたら
返済期間を短くして
金利を圧縮した方がいいというわけです。
パターン2:積立投資を始めたいと思っている人
積み立て投資を始めようと思っている人は、
返済期間を35年に設定し、投資資金を捻出するとどうなるのか?
ぜひ個別にシミュレーションを行ってみることをおすすめします。
では、仮に先程の11,806円を
35年間ずっと毎月積み立て投資を行っていったらどうなるでしょう。
年平均3%で運用したとすると、8,754,901円になります。
35年間の総投資額は、11,806円×12ヶ月×35年=4,958,520円ですので、
約379万程増えたことになりますね。
もちろん、この場合も増えた分には、
約20%税金を取られるわけなのですが、
今は「iDeCo」や「つみたてNISA」といった
税金を優遇する制度もあり、
それらを活用しない手はありません。
もちろん、先のことなんて誰も分からないし、
積立投資には多少なりともリスクはつきものです。
人生100年時代になると考えると、
老後生活がその分長くなるわけです。
私たちの世代は35年後も当たり前のように
仕事をしていそうですよね。
住宅ローンにはもしもの時に備えて、
掛け捨ての生命保険も含まれていることも考慮すると
無理に返済を短くするよりも、
余力をつくり、その資金を
積立投資に回すという考え方もありますよね。
家づくりをする時には、
積立投資をする余力を残すぐらいで
返済額を決めてもらえたらと思います。
そして、こういったお金のことも勉強した上で、
住宅ローンの商品選びや返済額や返済期間の設定を
されることをオススメします。
では、また。