中庭がある平屋の現実
2023.4.10お金・設計・仕様
「平屋にしただけでも
家は高くなると思うんですけど、
その上さらに中庭をつくるとなると、
外壁の面積が広がってしまって
もっと高くなるんじゃないですか?」
この質問は、なかなか的を射ているとってもいい質問です。
つまり、この質問に対する答えは基本的には「YES」であり、
そうなってしまうがゆえに、
平屋や中庭の提案を避ける住宅会社もあるのではないでしょうか。
しかし、中庭をつくることによってカット出来るものもあれば、
平屋にすることによってカット出来るものもあり、
その2つを上手く組み合わせることさえ出来れば、
コストを上げることなく「中庭がある平屋」を建てることが出来るので、
今回は、このことについてお伝えしていきたいと思います。
こんにちは。シンプルノート熱田/一宮スタジオ 堀内です。
では、まずは「中庭」をつくることによって
カット出来るものについてからお伝えしていきたいと思います。
シンプルノートの家になぜ中庭が多いのかと言うと、
本当に居心地のいい空間をつくるためには、
採光の確保とプライバシーの担保を
両立させる必要があるからです。
例えば、多くの家が
周囲に向かって大きな窓をたくさんつくっていますが、
そこからは光と共に視線も入ってきます。
となると、カーテンなしでは
いつも誰かに見られながら暮らすことになるわけですから
とっても居心地の悪い家になってしまいます。
そして、ほとんどの窓にカーテンを設置するわけですが、
となると、当然光まで遮ってしまうことになります。
一方で、中庭をつくると
中庭につくった窓は、
外からの視線を全く気にする必要がありません。
見えるのは自分の家の中のどこかの部屋か
自分の家の外壁のどちらかですからね。
それゆえ、その窓には視線を遮るために
カーテンをつける必要がなくなります。
(方位によっては陽射しを調整するために必要となりますが)
また、カーテンいらずの中庭の窓は、
日中ずっと安定的に光を届けてくれることから
家の外周部に大きな窓を設置する必要がなくなるし、
窓の数をやみくもに増やさずとも、
充分家の中を明るくすることが出来ます。
以上のような理由から「中庭」には、
窓にかかるコストをカット出来るという効果と、
カーテンにかかるコストをカット出来るという
2つの効果があるというわけですね。
では、続いて平屋にすることによって
カット出来るものは何でしょうか。
平屋には、あなたが想像している以上に
多くのメリットが存在するのですが、
そのうちの一つが「圧倒的な住みやすさ」です。
アパート暮らしの方なら
共感いただけると思いますが、
これまでと同様にワンフロアのまま
部屋や収納が増えるわけですからね。
例えば、2階建ての場合、
子ども部屋を2階につくる方が圧倒的に多いと思いますが、
実はこれがリビングが散らかる最大の理由となります。
幼い子どもたちは
親と離れた場所に居たがらないし、
いちいち2階まで自分のものを
持っていくわけありませんからね。
なので、このような家には
1階に和室をつくっている場合が多いように思いますが
仮に子ども部屋を1階につくることが出来れば、
この部屋をつくる必要はないと思いませんか?
となると、この部屋分
丸々家を小さくすることが出来るので、
その分、建築コストを縮めることが出来ますよね?
平屋だと階段だって必要ないし、
2階のトイレも減らすことが出来ますしね。
この他、設計のやり方によっては
ただ通るだけの廊下も省くことも出来るし、
それぞれの部屋(寝室・子ども部屋)の広さも、
寝るだけだと考えると、
最小限にしてもなんら支障もないですしね。
そうなれば「中庭がある平屋の家」を
手が届く価格で建てることが出来るというわけですね。
ただし、後者の家をコンパクトにするというアイデアには、
あなたの理解が必要不可欠となります。
部屋の数や広さ、配置を指定したり、
坪数や坪単価にこだわるようだと、
実現出来なくなると思います。
上記のような価値観にこだわらず
居心地が良くて住みやすく、
おまけにオシャレなデザインの家を
手が届く価格で建てたい・・とお考えの方は、
ぜひこのアイデアを参考にしていただければと思います。
では、また。